69ページ目   商品先物

オバマ氏就任

週明けから大きく値を飛ばし本日も全般冴えないTOCOMの中で堅調であった金市況だが、この金と云えば先週末付の日経紙商品欄には英GFMSの予測として、本年上半期に金の国際価格が過去最高値を更新する可能性があると発表した旨が載っていた。

米国の超低金利政策と積極的な財政出動からインフレ脅威や財政赤字を通じて金相場を押し上げるとの事であるが、現状足元ではデフレリスクを指摘する評論が頻繁に目に入る昨今、たしかに新興国の景気回復に伴う諸々の価格含めた争奪懸念に関しての危機感が感じられなく逆に穴なような感もある。

ところでヨーヨー・マはやはりイイなと思った昨晩のオバマ氏就任演説であったが政権始動でこの財政にしても国際発行で凌ぐということになろうし、こうした事からしてもケースとしてはやはりどうしても将来的にインフレ黙認の雰囲気も否定できないかというところで、そうした事からも従来の漠然とした懸念より一歩突っ込んだところから脚光を浴びる場面も増えるのかなという感じである。


適正回帰と改革

本日の日経紙には主要企業トップの年頭所感が出ていたが、この金融危機の中で迎えた新年を各々思い思いのスタンスで乗り切ろうとの決意が認めてあった。

一方で業界では取引所、協会等6団体が主催する商品先物取引業界賀詞交換会が昨日開かれ、こちらも時事に関係要人の年頭所感が出ていたが、数年前から云われているシンプルで当たり前な方向転換の再認が目立つ。

東穀取など「風を起こし、風をとらえて風に乗る」とコメントしているが、起こした風で自らが吹き飛ばされないよう祈るばかり、ただでさえJCCH清算参加者純資産額引上げを睨んでナーバスになっている取引員は取引インフラや整備等のミスマッチには辟易している向きが多い。

各々がパイに合った適正水準へ回帰する動きは今後も続く、というか加速しなければならないのが普通だろうがそろそろ総合的な構想に合せ業界のみで自由に動ける行動も次第に狭まって来る可能性も大か。


流行の過払い

さて、本日の時事にて東穀取が来年は上場商品の拡充に取り組みその一環として畜産物先物研究会に着手したい旨が出ていたが、直近では12/2付けの当欄で「続く逆行」のタイトルで一度触れていた通り粗糖板寄せ取引を来年の3/2から復帰する事を決定した模様だが、ゆくゆくのTOCOM開発のザラバ方式新システム切り替え問題もあるのでこれまた暫定的?な措置とか。

しかしこの東穀取といえば先週には会員が脱退する際に払い戻す「持ち分」を従来通り資本余剰金から取り崩し処理し過払い処理を繰り返していた事もまた発覚しているが、なんともお粗末である。

今更ながら破綻した会社も含めた26社に過払い分の返還を求めてゆくらしいが理事会をスンナリ通っているから酷い、そもそも来年に株式化を狙っているところが会計士不在で監査法人に会計監査も以来していなかったという事自体が何を考えているのか理解に苦しむ。

折しも東穀取の建玉はピークの約十分の一、期末からでさえも半減し今年度は10億円以上の純損失に達するというが、迷走も何処まで続けられるのかその去就を見ていたい。


特異構造

さて直近でも既報の通り、「もうはまだなり」の如く商品取引員への行政処分が続き、今回はまだまだ続報を示唆しているのかどうか恒例の協会要人や取引所要人、また主務省担当の処分に対する判で押したような遺憾ですコメントもいい加減見掛けなかった。

先に書いたように目の前ではリストラだなんだで他業界も夏から既に厳寒の様相だが、例えば不動産流動化ビジネスのように直近まで我が世の春を謳歌していた業界と違って、ここ数年慢性化?しているだけにこの辺もまた構造的な質の悪さを改めて感じ座してナントかという感がしないわけでもない。

そんな中を今週の日経紙商品欄には同紙が実施した商品先物調査の結果が載っていたが、いろいろ当局と現場での意識の違いが浮き彫りになってはいるものの結局のところ直面している問題として清算参加資格厳格化で撤退又は合併が一割強となっていたが、実際の数値というかデューデリの過程でうまくマッチしない等々物理的に見ればこれより当然多くなるのは明白か。

上記の件についてもその是非はともかく両者至極正論だろうが、日本の場合は他国に類を見ない特異構造であり、もともとの生い立ちが決定的に違うだけに考えれば考えるほど解決策が霞んで来る。


続く逆行

昨日の時事で見掛けたのだが、東穀取は流動性の回復が狙いとかで粗糖のザラバ取引を早ければ来年2月の新甫発会を機に板寄せに戻す方向で検討に入ったらしい。

この粗糖といえば先の11月限納会は前日比11,000円高と暴騰を演じ55,240円と上場来の高値を更新したものの、先月の1月限納会ではたった7枚の買いハナが狙われ前日比7,450円安の暴落を演じ10,000円ドタと単位変更以来の安値を付けるという既に公正な価格云々を謳うのも躊躇われるマーケットになっている。

しかしこの東穀取も証券系などから言わせるとトンでもなくインチキな値付けが罷り通っていた時があったり、直近では度重なる延期に振り回された挙句にやっぱりヤメましたという事になったコーンのザラバ化があるがそもそも新システムなるモノはどういった意図で設けられたのだろう?

東穀取の「中期ビジョン」なるものの中にはTOCOMの新システムとゆくゆくは統合する方針と謳っているが、この先もこんな調子のまま紆余曲折な歩みしか出来ないのだろうか?TOCOMに続き株式会社化したら、それこそこんな失態は許されるはずもない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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