74ページ目   商品先物

計算と黙認?

本日の日経紙一面には株式時価総額で見た世界の企業の主役交代が、原油高などの資源価格の高騰で新興国中心として鮮明になっている様が採り上げられていた。

さて昨日もサウジアラビアのジッダで開催された原油産油国と消費国の閣僚らが原油高騰問題への対応を協議する会合が開催されたが、これも沈静化へ向けた具体策には遠く果たして声明もあまり意味のないものであった。

そういえばこのサウジアラビアも破竹の勢いだがそれ以上に潤う事になるのがロシア、いろいろと遠大な国家間の策略が表面化している感がするが上記の時価総額ランキングでも昨年7位のガスプロムが3位に浮上し、一頃何処かで流行った株式交換のM&Aが活発化しそうとの兆しも出ている。

末端レベルではインフレの弊害も少しずつ表面化し7月の北海道洞爺湖サミットでも重要議題の一つに挙げられているが、ほとんど今の段階では決定打に欠き目先は金融リテラシーの必要性を再認識して各々の自己防衛で乗り切ってゆくしかないか。


不協和音

主要8カ国(G8)財務相会合が週末に閉幕したがやはり時節柄原油高が旬なだけにこれが焦点となり、世界的なインフレ懸念に対して世界の安定成長の重大な試練との危機感を表明していた。

近年コモディティも金融商品の色彩を強めてきているだけにこれらの認識は流石にあったようだが、急騰の背景は情報不足でデータの充実を促すとは何ともという感じで具体的に為替問題にも言及せず終いで即効性は殆ど期待出来ないものであった。

先にジョージ・ソロス氏が原油高の背景には投機が依然としてバブルを助長させているとしながらも、価格は実需に基づく水準にあると証言しているように具体策の決定打が無い中を、ポールソン米財務長官は投機筋が関与している証拠は殆ど無いとの発言にも見られるように国益が絡んだ問題はコンセンサスの一致が極めて難しい。

金融政策にしてもECBの利上げ示唆を絡めて以前株式市場の暴落のトリガーとなった政策の相違を彷彿させるとする向きもあり、各国がどれだけ協調策を取れるかここも試金石となりそうだ。


批判の根拠?

週末の海外相場はご存知軒並み急騰しているが、中でもやはり10ドル以上という過去最大の上げ幅を記録した原油が一際目を惹き、未だ値幅制限のあるTOCOMはストップ高張り付きで商いも殆どお手上げとなっていた。

しかしこうした状況頻発でロスカット制度やら堪ったものではないと思うがそれはさておき、前回はループホールと題し規制警戒から各商品が値を崩す様を書いたが、今回は宛ら昔の「一時規制は買い」という株式格言が思い出されるような恰好のコレクションであったようだ。

背景にはモルガン・スタンレーが7/4迄に150ドルに達する云々のリサーチノートもあった模様だが、今日の時事では以前に「デイトレーダーがバカで無責任」と発言した北畑経済次官が同社やG・Sを名指しで批判、どんな事があってもファンダメンタルズは60ドルとの記事があった。

まあエスカレートしてまた何処かで面白い発言を期待?したいが主要消費国が同問題への強調策を打ち出した折、投機資金への対応の行方が注目される。


ループホール

先週末あたりの各紙には先物への分散投資が世界で拡大と出ていたがそれも束の間、今週にかけてはCFTC(米商品先物取引委員会)が投機対策としてFSA(英金融サービス庁)やICE(インターコンチネンタル取引所)との間で情報交換を強化するとの報で各商品は思惑も募り値を崩す物が目立った週であった。

この辺に関連して昨日あのジョージ・ソロス氏は上院商業委員会で、原油価格の高騰背景には投機の商品先物取引は依然としてバブルを助長させているとしながらも、価格は実需に基づく水準にあると証言している。

ジョージ・ソロス氏のように知的見地からすると不健全で潜在的に経済の不安定要因と言ってしまえばそれまでだが、所謂商品指数ファンドがここ数年上昇相場の牽引役となって来たのは確か、委託保証金引上げ限界論やスワップ絡めたヘッジ申請の抜け道が改めて焦点になりそうだが、結果ここへきて金融勢と当業勢との対立が鮮明になっている。

最終的にはここも政治の力関係なのだろうが、間に入る当の取引所としても株主が存在するだけにその行方が注目される。


行政と規制緩和

今週気になったニュースといえば、大阪証券取引所、中部大阪商品取引所、関西商品取引所で三取引所間の相互協力協定(MOU)を結んだとの発表であろうか。

この相互協力協定に関しては年明けに東京証券取引所と東京工業品取引所がやはり同様に締結しているが、大阪証券取引所もその後東京工業品取引所とMOUを締結しており、この辺はロケーション論含めて証券取引所と商品取引所でその生き残りに関する政策でも体温の違いを感じるところ。

ただ、何れにしろ証券取引所側が規制緩和が可能にする商品取引所との提携強化が課題なのは間違いの無いところで、極端にボリュームが偏向している商品取引所の構図ながら使われ方によっては化ける可能性が無いわけではないかとも片隅では考えたりも。

比べるのもどうかと思うが地元財界の顔色を気にする証券新興市場とは共通項があれど、こちらの方がクリヤする身軽さという点での現実味はまだあるかもしれない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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