78ページ目   商品先物

お開き後の規制

さていろいろ事情もあったのだろうが漸く重い腰を上げたというか何と言おうか、東穀取は乱高下していたNon大豆の臨時市場管理委員会を先月末既報の通り本日開き、新規玉に対して臨時増しを徴収したり20枚以上の玉を保有する向きの取引所への報告等の対応策を決めた。

株式あたりの信用規制を見ていると理解に苦しむ昨年からの対応であるが、まあステージというか器も全く異なるモノなのでそういうものだと思って傍観しているがこうした形での活性化はやはり其れなりの結果になった感じ。

まあ、結局のとこと昨年からの一連の動きで?一番美味しい時期?は介入等の邪魔が入らなかったわけで、第一幕は取る向きはタップリと取ったしヤラレた向きは其れなりにヤラレたわけで終戦処理の今更の規制は白けたメードが漂うが、おかしな値付け続出やら人為ミスに因る延刻事件に今回のNon大豆騒動、今後どうなる東穀取?といった感じである。


世界最強

さて今週気になった話題といえば、昨年夏にICEを退けて激しいCBOTの買収合戦を勝ち取ったCMEがNYMEXを買収する方向で予備的交渉に入ったとの報道であろうか。

この件に関しては一昨年の秋にも当欄で「〜目先米国では気になるのが主力WTIを擁するNYMEXあたりで、既にグローベックス上では提携しているものの、今回の件でまた動向が注目される事となったLMEと共に行方が注目される。」とコメントした事があったが、果たしてそうした流れは必然であったか。

先の件で元々が世界最大規模であったが何れにしてもこれで金融派生商品全般から農産物、天候に加えてエネルギーまで網羅する世界最強取引所が誕生、個々でも世界を代表する取引所であったがこうした再編劇を見ていると何処を取ってもその規模と行動の違いに、世界の流れから逸れつつ地盤沈下が懸念される取引所にはため息が出るばかりである。


協調体制下での金相場

今週もまた荒れたマーケットであったがドラスチックな動きの株式もさることながら、TOCOMでも金などはストップ安の翌日ストップ高で返ってくる等こちらもNON大豆並みの動きを見せていた。

一連の流れで相対的に利益の出し易い立場というか已む無しの売りでこれを含むコモディティも売り物を浴びたが、ETFもこの間急減しているというからやはり従来とは毛色の違う参加者の存在をこの辺のところから逆に感じたりもする。

さてFRBの緊急利下げから一先ずは急反騰となった環境だが、株式も此処まで悪化すると以前「協調の重要性」として書いた事のある金融政策も学習効果?からか各国利下げモードに入る気運となり金にとっては益々好環境が整うという事になるが、先ずはFOMCあたりで当局の追加利下げがあるや否やまた協調路線も併せて注目される。


第一歩

今週気になったニュースといえば、やはり昨日の東京証券取引所とTOCOMの包括的な相互協力協定(MOU)の締結発表だろうか。

両取引所はさっそく市場間連携研究会(仮称)を設置し商品開発等について協議を始める模様だが、金を手始めにTOCOM上場商品連動のETF実現が漸く具体性を帯び総合取引所プランの第一歩となるかどうか関係者の関心は高い。

TOCOM側としても本年は自ら新たな投資資金の獲得を掲げているだけに新参加者を市場に取り込むチャンスと見ているようであるが、腕力に物を言わせる過剰流動性資金の一部からすればモト(TOCOM)から操るパターンもあろうし、値幅制限等の問題も絡め此の点では市場設計や管理のあり方も注目される。


熱のプレミアム

本日は円高からザラバストップ安まで叩かれたTOCOMの金であるが、それでも昨晩は最高値更新しTOCOMでも約24年ぶりの高値を更新と破竹の勢いである。

ところでメジャーマーケットの他に同じ金で未曾有のゾーンを示現したものといえば9日にスタートしている上海の先物取引所、なんでも初日には基準値が3,150円程度のところへいきなりストップ高の3,460円まで買われたというがそれにしても100ドルものプレミアムが付く事自体が凄い。

何時だったか香港市場より上鞘になった個別の上海株式市場の異常さを書いた事があったが、およそここのマーケットは総じてこうなのかその?熱?には或る意味驚かされるが、値段はそうでもほぼTOCOMに匹敵する取引量であるというマーケットの今後はやはり要注目といえよう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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