自由を求めて
先週末に入ってきたニュースには東証一部上場の宝飾品販売の「TASAKI」がMBOを実施するとの件があった。海外に本格進出する為に積極的な投資を行い、一時的に業績や財務の悪化が見込まれる事で非上場化によって経営の自由度を高めるのが狙いという。
TOBは5月11日迄で肝心の買い付け価格は1株2,205円である事からその3割程度上乗せされた乖離狙いに買いが殺到し、先週末は後場から買い気配値で張り付き本日も比例配分での引けとなった。明日は早々に寄って後は上限の横這いが続く事になろうが、それは兎も角もMBOを書くのは昨年10月のアデランス以来のことになる。
アデランスは投資ファンドのインテグラルと組んだが、このTASAKIは過去に優先株を発行しスポンサーだった経緯のあるアジア系投資ファンドのMBK。MBKといえばTOBでいろいろあったアコーディアゴルフにも投資していた時期もあり、TASAKIにおいては旗艦店やデザイナー等のテコ入れで実績を上げイグジットも成功を収めている。
海外に絡んでは昨年はパリのリッツ・パリにも直営店を開業し後にロンドンにも直営店を設けているが、2年前のワールドウォッチフェアでも海外高級ブランドの有力勢と遜色のない値札を下げ意欲的な新製品を出していたのが記憶に蘇る。欧州はブランド力を高められるか否かの試金石でもあり、これら含めMBOが奏功するのかどうか今後も注目しておきたい。