株式インセンティブ彼是

さて政府が今月中に決める「新しい資本主義」の実行計画改定案の概要が明らかになっている。この辺はカギとなるスタートアップ振興では株式報酬の一つであるストックオプション(株式購入権)の従業員への付与期間の制約を撤廃するなど、購入権を発行し易くなる規制緩和を検討する旨などが日曜日の日経紙総合面に出ていた。

一方で多くの企業が使う信託型の株式報酬について、直近で国税庁が給与としての税務処理が必要だとの見解を示している。これまでも外資系企業の役員等がストックオプション絡みで国税とヤリ合う場面を多く見たが、企業側としては権利行使で得た株式売却に対し税金は譲渡所得で20%との認識であったものの、同見解では給与所得とし最大55%の税金が課される事で企業想定より税負担が増加する事になる。

冒頭のストックオプションの付与期間の制約撤廃など大企業に比較して福利厚生等の面で見劣りするスタートアップ企業の人材獲得には追い風となるものの、この度の国税の見解で信託型を導入している各社に見直しの動きが広がるのは想像に難くない。財務に余裕の無い企業でも活用し易い同制度を新たに導入する企業は近年増加し続けているが株式インセンティブの在り方が改めて問われるか。


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