祝 日経平均史上最高値更新

周知の通り先週末にとうとう日経平均はバブル経済期に付けた38915円(終値ベース)の史上最高値を更新してきた。終値でもザラバの過去最高値を更新しての引けであったが、振り返ればバブルが崩壊し山一證券廃業やリーマンショックを経てザラバでは6994.90円の安値まで沈み、その後第二次安倍政権のアベノミクスと日銀の異次元緩和策により立ち直りコロナショックを経て今日までこの34年を見てきた市場関係者はさぞ感慨深いだろうか。

関係者が一様に口にしているのは業績の裏付けが無いままに急騰したバブル期とは大きく違い、今は業績の裏付けがしっかりある健全な株高というもの。確かに数字では日本企業全体の純利益を比較するとバブル期の約18兆円に対し、2022年には約74兆円と約4倍に拡大しており稼ぐ力の高まりを表しているが、史上最高値更新でも一般人には関係無く恩恵も無いと肌で感じる経済とは違うと考える向きは少なくなく、景気が上向いている実感には程遠いとの声が多い。

それもその筈、バブル期当時はそれこそ入社間もない女性社員に数百万円のボーナスを支給する企業などゴロゴロし、ゴルフを楽しむばかりでなく会員権を株の如く売り買いする肉食女子も多く、夜もとにかくタクシーを捕まえるのに一苦労であった。株も仕手筋がやりたい放題で仕手株に提灯をつけても元金があっという間に10倍なんてザラな時代、そんなワケで時価総額上位企業には金融や不動産がズラリと並び、土地の狂乱が本業以外で企業を支え内需中心の企業が気を吐きそれに伴い賃金上昇も幅広く一般に実感出来たものであった。

上記の通り企業の純利益が約4倍に化けたとはいえこの34年で日本企業は海外進出で日本人以外の稼ぎで利益を伸ばした面は否めず、この辺も国内の賃上げに結び付き難い背景の一つか。先週末の日経紙・春秋ではこの史上最高値を更新した株高を取り上げ、その中で「~むしろ願うのは、株価に見合う豊かさを実感できる世の中。」との一文があったが、1989年当時はまさに株価に見合う豊かさを浮ついたカネながら実感出来た絶頂期であった。


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