半導体モノ依存構造

ちょうど一週間前に史上初めて40000円の大台を突破した日経平均であったが、本日は一転して急反落し、下げ幅は今年最大で2021年6月以来約2年9か月ぶりの大きさとなった。日銀審議委員発言からの円高等も影響しているが、主因は先週末の米エヌビディア株が昨年5月末以来の大幅な下げを演じたのが、そのまま半導体関連株に影響したところが大きいか。

先月末に当欄では、日経平均の年初からの約6000円近くの上昇のうち半導体関連の主力3銘柄で約4割寄与していると書いていた通りで、これら高寄与度の銘柄がコケれば皆コケるという構図だろう。その大元である米エヌビディアだが、先週末の日経紙では「エヌビディア株はバブルか」と題し、株価こそ今年9割高と急騰しているもののそれに併せ利益見通しも切り上がっている事で割高感が極度に高まっているワケではない旨が書かれていた。

それもその筈でエヌビディア株の予想PERは36倍、ハイテク株の多くで構成されるナスダック総合指数のPERが30倍前後であるからこれと殆ど差は無く、来期の更なる成長見通しを考慮するにむしろ割安感さえある。一方で上昇をリードしてきた日本の半導体関連株かどうか?本日の終値で見てみると東京エレクトロンが50.79倍、アドバンテストが75.54倍、日経平均のPERが約16倍であるからエヌビディア株とは景色が異なる感は否めない。

ちょうどかつてのITバブルがピークだったころマイクロソフトのPERが約60倍であったから、アドバンテストなどこれを既に上回っている。ではこれらバブルなのかというとそれは崩壊した後しか確認のしようがないが、いずれにせよ日本株の安定した上昇が継続されるにはやはり内需株が幅広くキャッチアップしてゆく事が必要なだけに、この辺の動向には今後も注目しておきたいところ。


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