最後?の定時株主総会
注目されるであろう主要どころの株主総会がスタートしているが、明日のトヨタ自動車の前に昨日はTOBにより非公開化予定の豊田自動織機の株主総会が開催された。上場会社としてはひとまず最後の定時総会となるが、会社提出の3議案が可決されて株主提案の3議案の方は否決されることとなった。また、はたしてというかこのTOB価格について株主からは疑念の声も上がった。
同社株といえば4月の関税ショックで10250円まで急落したものの、あとTOB価格への期待から18000円台まで上昇していたものだったが、いざ蓋を開けたら16300円と肩透かし?の価格で同社株は今月初めには一気に2000円以上も急落する憂き目に遭った。現在のBPS実績が約16300円であるからちょうどPBR1倍といったところだが、これが本質的な企業価値なのかどうかというところだろう。
これに関しては株主の英運用会社ゼナーアセットマネジメントがTOB価格は20000円以上が妥当との見解を示しているほか、同じく英の投資ファンド、アセット・バリュー・インベスターズからも本源的な企業価値より低いとの声が挙がっている。また直近では花王の臨時株主総会にて新たな社外取締役の選任を求めた香港のオアシス・マネジメントもトヨタ自動車と共に同社株主に名を連ねている。
今後彼らアクティビストが価格の引き上げ要請を含めた対話要請が出てくるかどうかだが、いずれにせよ今回のケースは日本の上場企業の非公開化としては最大になる見通しだ。非公開化が叶えば上記のようなアクティビストの標的からは外れる反面、創業家の影響力は自ずと強まることになりこれがどう転ぶかだが今後もトヨタグループの動向からは目が離せない。