問われるガバナンス

昨日の日経紙夕刊にはAIを活用した法務業務の効率化を手掛けるリーガルオンテクノロジーズが、大和アセットマネジメントと共同でAIを活用してインサイダー情報を検知するシステムの開発を始めた旨の記事があったが、そういえば本日は証券取引等監視委員会がみずほ証券社員らの関係先をインサイダー取引容疑で強制調査した旨の記事が日経朝刊の一面を飾っていた。

インサイダー取引といえば忘れた頃にポツンポツンと挙げられるイメージだったが、今年はつい先月も三田証券の元幹部がインサイダー取引容疑で逮捕された事件があったばかり。三田の件は投資銀行本部長職時代にニデックによる牧野フライス製作所に対するTOB情報を元に公表前の株式を買い付けたものだったが、上記のみずほ証券社員も同じく投資銀行部門に所属していたという。

上記2件に限らずここ数年はその辺の一般人が運悪く見つかってしまう“川下”のケースよりも“川上”の金融業界の摘発が多く、さらに遡れば三井住友銀行の証券代行部門から胴元?の東京証券取引所に更にその市場を監督する金融庁からもTOB情報を利用したインサイダー取引で有罪判決が出るなど異例ともいえる事件が近年では起きている。

TOB案件では上場企業が破綻して株価が下がるのと同じくらいの確率でその株価は上昇するのでこの誘惑に負ける輩が出てくるわけだが、昨年も書いたように一昔前のインサイダー取引では企業破綻や苦し紛れの巨額増資に絡む“売りインサイダー”が主流だったが、今は資本効率に絡むM&AのTOBでの“買いインサイダー”が目立つ。そう考えると犯罪からも近年の市場改革の進展が垣間見えるというまこと皮肉な事例ともいえるか。


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