ガリバー同士の統合

さて、先週にはイーロンマスク氏率いる宇宙事業のスペースXと、米EV(電気自動車)のテスラとで経営統合を協議しているという報があった。マスク氏自身もスペースXの決算説明会にて統合のための特別委員会を両社に設置したことを明らかにしているが、仮にこれが実現した場合は“ガリバー”同士のM&Aでほぼ時価総額ではマイクロソフトと肩を並べる規模となりアマゾンを抜いて世界5位に位置することになる。

スペースXといえば先週は7~9月期売上高が前年同期比2.6倍に増加し最終損益が黒字転換したとの発表があったばかりが、もともとこのスペースXがIPOする前からこの両者の統合話は一部アナリストなどから出ていた。テスラの蓄電池システム等の供給でスペースXの事業拡大がテスラにも恩恵をもたらすわけでテスラ側にも統合効果が大きいが、このガリバー同士の統合には議決権の問題やら持ち分低下の問題などハードルは低くない。

この辺はマスク氏が株主をどう納得させてゆくかにも注視したいが、商業打ち上げビジネスなどでほぼ独占状態のスペースXの価値はその期間や人によってどう捉えるか賛否両論だ。一部で2030年の企業価値が2兆5000億ドル(約400兆円)になるともいわれるまでの道のりの実現速度を、これまた今後イーロンマスク氏がどうマーケットに訴求してゆくかこの辺も見ておきたい。

スターシップなど商業的な打ち上げを行い一段の宇宙開発へと続けば米が主導する形で宇宙の“ルール”が築かれ、覇権争いにおいても先行することになるか。いずれにせよこれが実現することになれば、AIと宇宙という国家戦略上でも極めて重要な二つの成長分野をカバーするガリバー級のプラットフォームが誕生することになるだけに今後のなりゆきには要注目である。


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ