“箱”としての役目

昨日は金融審議会が纏める報告書案の全容が明らかになったが、既存株主権利を損なう恐れがある第三者割当増資などの資金調達手法についての情報開示ルールを強化し、違反企業には課徴金を新たに加える旨も盛り込まれる事になった模様。

コトが起こってから重い腰を上げるのは毎度の事だが、先に東証の上場制度整備懇談会などでは300%を超える希薄化を招く第三者割当増資について上場廃止まで含む提言をしている通り、確かに株式併合等でマジックを使えばそれこそ4倍常識どころではなく数十倍まで新株発行が出来てしまうインチキも罷り通っていたのは事実だし、この辺はさすがに放置し過ぎただろう。

しかし今迄喉から手が出るほど資金需要に迫られた上場企業は、もう箱の役目を終えて消えたところ含め新興市場中心に山ほどあったが、数年前までこうした箱を発掘し営業に飛び回っていたアレンジャーの連中はその後の展開と共に随分美味しい思いもした向きも居よう。

斯様に美味しいところはさんざん既に喰われた後という感もあるが、まあこの手の話は別に証券に限った事でなく他もまた然り。怪しいファイナンス物の匂いに誘われてつい手を出した方も悪いとはいえ、少数株主が利用され切捨てられるのもそろそろ見直されるべきだろうか。


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