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体重こそ違うが・・

さて、本日の日経平均は米景気減速に対する悲観が若干後退した事もあり4日続伸となった。個別では先週全般急反発の中でも冴えなかった主力のトヨタなど自動車株も続伸歩調となっていたが、このトヨタといえば先週には大引で初めてホンダに株価を抜かれたことが一寸話題になっていた。

この逆転現象、今年の2月にもあったがそれはザラバの話。今迄書いてきたように様々なシーンでこうした現象が起こるが、今回はホンダの新興国での二輪車販売好調とトヨタの販売苦戦という素地があった中、その貸借倍率の違いという構造もこれらの主因になっていたと思われる。

また、設定している想定レートは違うが、1円の円高でトヨタが300億円の営業利益減に対してホンダのそれは170億円となっているあたり為替相場の影響は周知の通り。株式相場に左右される証券ポスト、コモディティーのそれは商社ポストなど相場株は多いが、同様に輸送用機器ポストの名とは云っても結局この手も相場モノのカテゴリーなのは間違いない。

ところで逆転といえば、その地盤沈下から取引所など中国に次々と逆転されてきたが、先にはGDPも日中の逆転が報じられている。話題になった上記の両社株価逆転も一日天下で従前に戻ったが、はてこちらの方は従前に戻る日ははたして来るのであろうか?


乗せ易い素材

本日の日経平均は急反落となっていたが、新興市場ではまたも虚偽の財務諸表を前提に新規上場や公募増資が行われていたということで上場廃止が決定したシニアコミュニケーションも連日の暴落を演じている。

怪しい増資といえば未上場ではあるが、先週にはバイオ燃料会社を謳う日本中油なる会社が架空増資の疑いとかで東京地検特捜部から家宅捜索を受けているとの報もあった。同社は中国最大の石油国営企業「中国石油グループ」の日本法人を謳っているが、近年中国を語ったファイナンス系の話がまた増殖しつつある。

実際に株式市場でも数年前から中国ビジネスへの進出をネタにしてインチキ相場を作った銘柄は山ほどあり、その後の枯れ?果てた姿も実に谷深しそのものであるが、現在も背後に中国資本介入やら裏上場の噂やらでどう見ても不自然な化けかたをした銘柄は依然多い。

他にもファンド系など国が国だけに当事者連中にしか真贋は解らず、煙に巻いているうちに練金が行われている疑いが濃厚だが、当局の挙げる基準ってどうなのだろう?まだまだ堂々と資本市場から資金を巻き上げる向きが数多横行しているが、これはおかしかったと騒ぐのはいつも可也時が過ぎてからのことである。


再建スピードの相違

月曜日はIPO事情に触れたが、IPOといえば先週末にかけて入ってきたニュースには米政府管理下で経営再建中のGMが、4-6月期まで2四半期連続黒字を確保した好業績を追い風にIPO申請に漕ぎ着け、年内にも上場実現し政府関与が薄まる見通しとの報があった。

同社は普通株を新規発行せずに、優先株だけで資金調達する方向とのことだが、焦点は早くもどの程度の値で資金回収出来るか納税者の損失割合等が逆算されている。さて、GMが米を代表する企業再建なら、一方で日本を代表する企業再建といえばJALであろうか。奇しくも直近ではこのJALも今月末までに提出する再生計画案にて、2012年末までに再上場する方針を盛り込む方針で検討していることが報道されている。

しかしながらこの両者、畑違いをトップに据えた点こそ同じであるものの、後ろ盾にした政府の姿勢や組織全体への危機感は可也相違しているようにも見える。一年ソコソコで再上場申請に漕ぎ着けたのに比べると、なんともJALのそれは多くの部分で見劣りするのは否めない。

日本では98年に破綻した日本長期信用銀行が、04年に東証一部に新生銀行として再上場した例があるが、思えばココも破綻前まで債務超過額が3,400億円とされていたものの、その後の資産査定では2兆円を上回っていた結果は、同様に数千億円の差異があったJALとそれこそ酷似していたなと。それは兎も角、ココのように再上場がはたして叶うのかどうかまたもサンプルケースとして注目される。


インカムゲインの罠

主要企業の悲鳴をヨソに依然として「注意深く見守りたい」と判で押したようなコメントを続ける政府の静観ぶりにドルは83円台、日経平均は9,000円を大きく割り込み催促?相場の様相とも言われているが、まあそんなお陰で久し振りにボラタイルで面白いマーケットになってきている。

そんな中でも株式市場では断続的な売り物が個人にコツコツ拾われている対象銘柄としては高配当銘柄が目立っている。昨日の日経紙にも世界景気の減速懸念が強まる中、投資家が景気敏感株から高配当利回り銘柄に資金を移動している旨が載っていたが、さて報われるか否かこの辺は賛否両論。

確かにここ最近の長期金利の低下を見るに配当利回りで見た株式の魅力が高まっているというのも理解出来るが、斜陽業界始め今までの高配当イメージから避難的に買った企業群では値下がりではるか喰われてしまうパターンが非常に多い。

株式配当利回りというのは教科書的には国債利回りよりも低いのが通常であり、これを以って現状の株式は割安という図式を挙げる向きも少なくないが、手垢銘柄は買い残もネックになり結果的にはツナギの利が最も効率がよかったなどと当初の思惑通りにはいかない例も。折しも今はマル信の売り残が10年ぶりの低水準にあるといい、この辺も考慮して行動したほうがよさそうか。


安い・早い・緩い

さて昨日の日経紙一面には、2010年上半期に国内株式市場に新規上場した企業が12社にとどまるなどIPOの低迷が続く国内を尻目に、日本のベンチャー企業がアジアの証券取引所に相次ぎ上場する旨が載っていた。

この辺に関してはアニメのディー・エル・イーなど、先に当欄で台湾系証券会社が日本企業向けの説明会を行い、此処へ近く日本企業も上場する見通しとコメントした通りであるが、人気の「KOSDAQ」には先ず業界からはクリック証券、そして野菜ソムリエ講座のフードディスカバリーや、たまについ宅配を頼んでしまうサルバトーレ・クオモ・ジャパンなどが上場を検討している模様だ。

現在のところ同所に日本からは昨年上場のネット広告会社ネプロアイティ一社のみだが、機動性というかこの「KOSDAQ」など日本と比較するとやはり可也違う。上場審査に2年以上かかる日本と違って此処は半分以下の1年、基準も時価総額始め利益も純利益1億5千万程度でOK、そして手数料は約35分の1程度で済むワケだからそこへ目を付ける向きが多いのも当然か。

しかし新規上場数が06年には188社であった事を考えれば、上記の通り上半期で12社とはその激減ぶりは可也のもの。折しもこの日はNHKスペシャルで「アジア沸騰 急成長のタイに世界企業が殺到」としてここ近年の海外進出への変遷を特集していたが、日本の工場も空洞化問題に直面している。彼方此方で日本の空洞化が加速する可能性がある現状下、はたしてこの流れを止める事が出来るのかどうか市場間競争の行方が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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