個別も仕手化
さて、週末からデリバティブ市場での異常値のさまに触れてきたが、今回のマーケット直撃では個別でもなかなか普段見られない動きが起きた。復興関連のゼネコン系が買われるのは阪神の時同様であったが、対極にあったのが原発関連で各々好業績や年明け早々に出た個別の好材料を囃して食い付いていただけにガチガチに売られた。
東電も然り、インフラ産業の特異性ということやこれまでのJALや破綻銀行の連想で彼方此方から「国有化説」がやはり実しやかに出たが、当然株価も3日連続のストップ安から1,000円の大台割れは分割等も考慮して実に27年ぶりであった。震災前の相場ではこの時期柄、配当狙いの観点で見直されこれまた食い付きがあっただけに、インカム狙いで買ったつもりがその配当も急遽未定、逆にとんでもない仕手株に化けたパターンか。
毛色の違うところでは、TOBを実施中の銘柄まで異常値が出ている。当欄でも最近触れた、エノテカやCCC、それにアートコーポもTOB価格を下回るなど、合理性云々で説明のつかない株価出現で裁定云々を超越した現象なのだろうと改めて実感。
他にも通常は逃避資金の逃げ込み先になるディフェンシブ物まで全滅したものの、原発復旧の進展状況や大量の外人買いが好感されてほぼ戻るものは戻っているがこの一巡後が正念場、ダメージや今後の影響が未知数なだけに今の復興関連総買いの様相が一段と不気味に映り個別でもまた取組内容が変わってくるのは想像に難くない。