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政策と構造の変化

昨日の反落から本日は反発ともうかれこれ一週間以上も「鯨幕相場」が続いている株式市場であるが、そんな中を本日目立っていたのは学研のストップ高や、城南進学研究社のストップ高といった子育て関連株群が軒並み急騰していた点か。

これらご存知30日の総選挙開票を控えて、大勝が予想されている民主党政策の期待買いに因るものであるが、この他にも前から高速道理無料化で宅配関係の物色やら温暖化ガス削減、農業関連やらと取り沙汰されては物色された経緯がある。勿論この裏でマイナス影響モノには売り物が入り好取組に一役買っている。

さて上記の中でも温暖化ガス削減であるが一部戦々恐々と云われているのが温室効果ガスの大量発生型産業である石油元売り業界、ただでさえマージンがキツい中を構造転換を迫られる可能性が強いともいわれる。

民主党が掲げる一段とキツい削減目標が達成出来るか否かは兎も角も、18日の日経商品欄に出ていた出光興産あたりは国内製油所の統廃合は避けて通れないとコメントし、産業空洞化で国内雇用も守れなくなると危機感も述べていたが、今月は昭和シェルと日産自動車が電気自動車向けの急速充電システムを共同開発する報も伝えられ、先月に挙げた収益構造の変化が着々と進行しているさまが感じられる。


一億枚達成

昨日に大証が発表したところによると、今年1月からの合計取引高が同日段階で1億61万5,331単位に達し、平成19年から3年連続で1億単位を超えた模様。

この1億単位といえば昨年の9月上旬にもこの辺に触れた事があり、当時9月に1億単位超えとなった時は一昨年よりも3ヶ月早くこれを更新した旨をコメントしたものだが、今年の場合は半月早くこの1億単位を達成した事になる。

同所としてはジャスダックとヘラクレスの市場統合を目先に、この主力のデリバティブについては新売買システム導入を平成23年の1-3月期に24時間取引も絡めて視野に入れており、この辺の絡みではTOCOMのOMXと同システムなだけに提携に関しても思惑が募るところか。

このデリバティブ取引増加の恩恵で先の3月期営業収益、最終利益共に上方修正から増配とした大証だが、配当といえば数年前は数百億円にも上る大量の利益余剰金を炙り出そうとしてあの村上ファンドが大量保有報告を出しストップ高に沸いていた頃がはや懐かしい感じがする。


政策としてのバブル

さて、お盆休みで夏枯れといわれる割にはそこそこ商いも出来て本日は反発している日経平均株価であるが、今週は連日年初来高値を更新する展開で心理的なフシ目に過ぎないながら昨年10月以来の10,500円乗せとかで市場は沸いていた。

強弱間対立もありチキンレース論も一部に出ているが、依然として前に挙げた主力の環境関連などは連日に亘り高水準の商いを保っている。そうそう環境関連と云えばその設定当日に挙げた投信の一つ、「野村RCMグリーンテクノロジーファンド」は先月末で残高は560億円に上った模様、また春先から日興コーディアル証券が売り出した「日興グリーン・ニューディール・ファンド」の残高は同じく7月末で約1,000億円にのぼり販売上限を引上げるまでになっている。

当欄では6月に「次は環境バブルか」として触れた件が、先週末の日経夕刊では90年代末のエコファンドブームを振り返り警鐘を鳴らす指摘で一部載っていたが、国策の一つとして煽っている場合は少なくとも初動に乗った向きを回転させてあげないと目的のバブルも醸造しないわけで、危機の収束の次の立ち直りではこれらの構築から膨張の繰り返し作業は必須ともいえるか。

前にも挙げた金融界の起死回生も絡めて、人とカネが存在する限り演出があればバブルが膨張してゆくのは不可避なわけで、そのテーマが大きいほど政策としての魅力も大きく着々と仕込みが行われることで修復作業は進行してゆくし、そうしたうちはEXITはこと一般には見えないのものだ。


日本独自の錬金術

本日の日経企業面にも出ていたが、帝国データバンクによればかつてマザーズに上場していたウエディングプロデュース業のモックがとうとうパンクしたとの報があった。

同社で記憶にあるのは、なんといっても東証が第三者割当規制について重い腰を上げる一因になったともいえる十回にも亘る夥しいファイナンスであったとも言えるか。二年前だったか株式併合と組み合わせ、可能枠増枠から本来の上限が殆ど意味の無いモノになった上に少数株主は実質地位を失った件も話題になった。

ちょうどこの頃といえば他の新興市場モノもこの手のファイナンスがある面流行まくっていたし、払い込み完了との報にも係わらず突然の中止発表もあったりでその度に市場も翻弄され、いろいろと個別ではキナ臭い噂話には事欠かなかったなと。

勿論、増資そのものは取締役会決議があれば会社法上認められるものだが、これらを箱にして錬金が行われたのも否めないだろう。機動的な資金調達重視もいいが喰い散らかしが出来るヌケ穴もまた多し、上場制度整備懇談会等もこれら実施した企業が今や大半が市場からその姿を消してしまっている事を重く見るべきだろう。


2193

本日の日経平均はアジア株高を背景にしたカバーもあって小幅ながら6日続伸となったが、その中でもやはり目立っていたのは先週末に上場したものの初日は買い注文殺到から値付かずで、漸く昨日公開価格の9,500円の2倍超となる19,100円で初値を付けたクックパッドだろうか。

三日目の本日は後場からストップ高に張り付いてまさに破竹の勢い、まあ話題性においてもこのクラスは昨年やはり当欄で取り上げたサニーサイドアップ以来ではないか。当時まさか?の初値公開価格割れから一転ストップ高の連発となった同社株の覚えからか斯様な人気となったのか、はたまた200%を超える成長率を買った格好なのだろうか。

昼休みに此処を見ているOLも多いがユーザーの殆どは女性、その増加率も半端ではなく食材の購入やら他に関しても女性陣のパワーは恐るべき影響力を秘めている。食関係の広告市場としては5,000億円を超える規模でありこうした点、まだ伸びしろは大きいだろう。

さてこのマザーズ含めた新興市場のアウトパフォームぶりがここ目立っていたが、七夕あたりをピークにスワップ絡みのショート説もあって一服。戻り急とはいっても山高ければ谷深しの返しなのだろうが、以前にも記したように底打ちからの反転期は先ず金融系、そしてこの新興市場がキー、高PER高PBRでも説得性のある成長企業を今後どれだけ誘致できるかが焦点か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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