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社会主義国の功績と罪過?

さて、本日の中国株式市場は銀行株が融資増加を好感した買いで上昇し、上海総合指数は昨年8月以来約7ヵ月半ぶりに2500台に乗せてきた。

ところで週末の時事にも中国株投信、人気再びという記事があったが、世界の株価が年明けから持ち直しを見せる中でも特にV字型の回復が目立つのが中国。上海総合指数は安値から50%近くも戻り、香港ハンセン指数も40%以上の戻りを入れているあたりが日米とはそ上昇幅を異にしている。

これは社会主義国ならではの迅速な意思決定と実行が奏功しているという景気対策への期待が根底にあるというが、日本でももともとこれらの期待から建機株が一足先に物色され、先に書いたBDIにしても中国期待で急上昇してきた経緯がある。

一方で末尾には中国株式市場の参加者は地元の個人投資家が中心で機関投資家の比重が小さい為に、急騰急落のリスクが高いとの指摘も為されている。まあ確かに上記の香港比でも主要企業のPERなどは約2倍まで買っているのは事実であり、これで前回同様の鞘寄せになるのかはたまた息の長い相場となるや否や注目である。


株価のボトムがBDIのピーク

3/10の年初来安値から期末対策?が奏功してか大台を二つ変えるかの勢いで急上昇してきた日経平均株価だが、本日は米株安や円高を嫌気し急反落となっていた。さて、この日経平均株価が直近のボトムを付けたあたりまですこぶる活況であったものに海運市況がある。

その市況だが上記の日経平均株価ボトム3/10をピークとしてバルチック海運指数が続落に次ぐ続落で実に20営業日連続で下落を演じており、昨年のリーマンショック後の10月上旬から11月上旬に作った22営業日の記録更新が目前となっている。

採算はどうなっているのだろうとも思うが、用船の取り手の交渉力が強い上にこの時世で採算には或る程度目をつぶる海運会社が存在する事を物語っているのだろう、特に市況高騰をリードしていた小型モノの下げがキツい。

そんなわけで本日の日経紙財務面でも川崎汽船の減益幅拡大が報じられコンテナ船の10%削減計画も会社始まって以来の事という、他社の動向も要注目だがこちらも中国の影響は大といえようか。


調達と運用

本日の日経紙一面で目に付いたのは、早大が利付き学校債なるものを早ければ今夏にも発行する見通しとの件。

此処も他同様に金融情勢の混乱で外国債や投資信託を中心とする資産運用収入が3割程度減る見通しと記してあったが、先に日本私立学校振興・共済事業団が発表したところによるとこれ以外に私立大を運営する学校法人のうち65法人が08年度にデリバティブ取引を行っていたとし、13法人は運用状況の不振から「教育研究に大きな支障が生じる恐れがある」「現実に生じている」との答えを出していたとの発表があった。

話は戻って学校債で今回の件は利付きで発行するのが珍しいとしているが、もともとその与信に見合ったクーポンをがあって然るべきとは思うが、一昔前は保護者に対する購入圧力があったとかないとか?これで連想するのが融資先に暗に金融商品購入圧力を掛けたとの経緯で問題に挙がった事のある銀行か。

献金やら何やらで世間は喧しいが何処も調達と運用で苦心、投資家とのマッチングもキーになって来ようか。


NewDealいろいろ

さて、この週末にはまた一つ上場企業が市場から撤退させられるが、その名も最近俄かに話題になっている政策名にも似た「ニューディール」、ヒッソリと消えゆく企業は近年増えているが同社の場合なんといってもあの『東証マザーズ』上場第一号銘柄であっただけに関係者は感慨?深い。

しかしココも記憶では一時1,000万円超を付けていた時期があったはずだが、昨年の末くらいからは1円カイ2円ヤリの繰り返しとはなんとも変わり果てたものだ。

1カイ2ヤリといえばここ近年は値上がり率上位には100%とか50%とかものすごい数字が並ぶが、ランキングされるのはなんのコトはない1円、2円といった一桁銘柄が多く、昨年の9月だったかトランスデジタルの件で破綻前に1円を付けていた異色さを挙げた事があったが、これも恒常化してくると目に馴染んでくるから恐い。

しかし上場企業が退場させられるパターンにもいろいろあるが、とりわけ新興企業のそれはデパートのように多岐に亘りモラル・ハザードについてつくづく考えさせられる。素人でさえも何年も上場ポストに居座れる不思議さを感じる向きは居ると思うが、これも広く見れば主幹事とか取引所側も何かコメントがあって然るべきのところこれまたなるべく触れたがらないとくるから困ったものだ。


期末模様

本日の日経平均株価は方向感を欠く展開から小反落となっていたが、本日はもう早いもので権利付き取引最終日である。

例年この時期は配当狙いや株主優待に着目した話題が俄かに出て来るものだが、今年の場合半ば公約に近かった増配組も上場来初の減配始め続々とこれら覆し、また株主優待制度にしても野村IRによれば国内証券取引所に上場している企業のうち同制度を廃止した企業は直近で80社以上にも上っているという。

株価急落に加えて減配や無配、株主優待制度廃止のトリプルショックのうちここ直近で二割ほど回復した上昇した事で逆張り組のキャピタルゲイン系で少しお茶を濁した感もあるが、先に書いた年金運用ではないがリスク許容度の高さと相俟って最後に飛び付いた向きはトリプルショックのリスクを被る可能性も無い訳ではない。

ここ近年従業員の給与・賞与ダウンに対して配当金は約3倍以上にも膨れ上がってきたが、本日の日経紙財務面に出ていたTDKが賃金などとのバランスを考慮し今期の増配を撤回するなどの動きも出てきたように、この構図もまたこの環境で変ってゆくのだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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