商機とその裏

さて、昨日の日経紙には投信の保有者が負担する管理手数料の上昇が7年連続で続いている旨の記事があった。運用に手間がかかる新興国の株式や債券などで運用する投信の新規設定も相次ぎ、投資対象別ではこれらが最も高かった模様。

さてマクロでの投資対象の多様化は今迄伝えてきた通りであるが、狭義でもこの投信一つ取っても例えば今月設定の大和のインドネシアやらアセットマネジメントのフィリピンなど、また通貨選択型でも上記のインドネシア通貨ルピアや切り上げ期待のかかる中国元など投資対象地域やその選択通貨なども新顔が登場し広がりを見せている。

新興国といえばもう「BRICs」などは定番の域であるが、それ以外にも3年前に当欄で取り上げたベトナム含む「VISTA」、最近では野村が使っている「チャインドネシア」やラテンアメリカ含む「CIVETS」などという造語も「PIIGS」などと同様に登場し、またそこそこな金額が集まるからその需要も無視出来ない。

さて一方の現場だが、当然ながらこの手の新商品売り込みに余念が無いだろう。あまり表面化はしていないものの、若干の含みのあるモノや傷みの浅いモノからこの手へのスイッチを一頃のノルマ合戦の如くせっせと推奨している様が目に浮かぶ。毎月分配型など源泉税分複利でマイナスになる等も指摘される中、解約水準の高さや保有期間の短期化など商機の副産物として気になる記事も多く、この辺も事前に冷静に見る事の出来る目も必要ではないか。


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