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右へ倣えと権限拡大

先月末に政府は公的資金を活用して一般企業に資本注入する制度の創設を正式に発表しているが、本日の日経紙一面にはあのエルピーダメモリがこれを活用する検討に入ったと報じられている。

直近でも札幌の老舗である今井丸井がとうとう破綻の憂き目に遭ったが、500億円以上規模の破綻が相次ぐ中、企業申請から資本注入が打倒と判断すれば対象企業が発行する議決権の無い優先株を引き受けるといった格好で支援するとの事だが、通常思い浮かぶ金融機関というか銀行へのそうした措置が一般企業へも枠が拡大されたという事か。

確かに今の米国他を見るとGMだ、シティだ、RBSだと巨額のカネを注ぎ込みもう大金に対しても半ば麻痺状態化しておりこうした気運になり、カラ売り規制や今回もそうなのだろうが何でも他国の真似というのも如何なものだろうか。

だいたい他とは規模こそ違うだろうにしてもそれでも少し纏まれば数兆円単位の話になるだろうし、目下2兆円のバラマキとされているものでも大騒ぎの日本が旨くオペレーションできるのであろうか?

仮にそうなったとしても曲りなりにもというか国が企業に介入という事になると、なにかまた天下りめいたもの含めて穿った見方を敢えてすれば混乱に乗じた官僚の権限拡大狙いとも取れなくもないし、幾つかは利益相反の疑義が掛けられるケースも間違いなく出て来るのが想定されると思う次第。


悲哀こもごも城下町

週明けも続落と冴えない日経平均であったが、中でも売り気配から終日一際下げが目立っていたのが重電の雄、日立であろうか。

それもそのはず先週末の日経紙一面にも報じられていたように09年3月期の業績予想を下方修正し当期損益が7,000億円の赤字になる見込みと発表、これは実に創業以来最悪の水準でこれに伴い7,000人がリストラ対象になる模様だそう。

朝日紙には早速いわゆる日立城下町へ衝撃が走り各々川下への影響が懸念される旨が載っていたが、これは現状愛知県でも先のトヨタショックからトヨタ城下町も末端までが可也の影響を被っている様と同様。

リーマン破綻の後の昨年10月に「〜富裕層だけの問題ではなく今回はこうした件の弊害が何れ一般にまで及ぶのは必至〜」とコメントしたが果たして川下はこうした憂き目に遭っているといえようか。

また財政上も問題有りでこの豊田市では法人市民税が過去に例が無い90%の減収となり還付金も相当額出る模様、こうした主力産業に税収を頼る自治体の影響も計り知れないが、マクロというか全体で法人税がどの程度吹き飛ぶか、さて国の財政もお偉いさん方に知恵を絞ってもらわなければならない。


待てば海路の日和あり?

本日は打合せで銀座界隈に出向く途中でユニクロの前をたまたま通ったのだが、外から見た感じでも相変わらず繁盛している様子であった。

ところでこのユニクロで他の事を思い出したのだが、同社が一昨年にUAEの国営投資会社と買収合戦で火花を散らし結局諦め?たあの高級百貨店「バーニーズ・ニューヨーク」を当の競り落とした国営投資会社が売却を検討しているとの報道があった件。

高級品も落ち込み当の中東も年明け早々に当欄で触れたように厳しい状況に晒されている状況ならではの売却検討であろうが、当然ディスカウントが予測される中でユニクロさん(ファーストリテイリング)が再度食指を伸ばすか否か興味あるところ。

経済混乱が買収を後押し?した例としては先には三菱レーヨンが英国の大手化学メーカーをポンド安から買収に踏み切る例や、キリンが豪州飲料最大手の買収を豪ドル安から仕掛ける例も既に具現化しており、このパターンは年末に日本電産の件に触れた際に書いた「不況であるが故にM&Aやまた人材面においてもチャンスが巡ってくる可能性があり」とした事例になってこようか。


それぞれの活路

昨年末には「和製メジャーへの道」として新日本石油と新日鉱HDの経営統合について触れたが、先週末にはこの新日石と三洋電機が薄幕シリコン太陽電池事業の合弁会社を設立したとの報道があり15年度までに薄膜型で世界一を目指すということである。

新日石としては業界の合従連衡の口火を切ったが、原油価格暴騰で引いた消費はその後の暴落でも喚起されず消費低迷は固定化、こうした石油系燃料に替る分野への活路を見出すのが急務なものの、経営環境の厳しさが増す中で新規投資できる向きは限られてくる中で同社よろしく他社としても今後の出方がまた興味のあるところ。

両者共に個別では上記の通り先の統合組であるが、電力各社のメガソーラー建設計画が目白押しとなるなど外的環境の変化からこうした部分でかつて日本の得意分野であったものが、再び外的要因というか政策も含め掘り起こされ相乗効果が試されるところが昨今の特徴ともいえるか。


My ex

さて、年明けからその揺れも大きくなってきた米金融大手シティグループだが、目下のところ傘下の日興売却についての去就?が注目されている。

現況では三菱UFJが食指を伸ばしているとも喧伝されているが、先週の日経一面にも出ていたようにココは2,880億円の減損処理を行うと発表したばかりで乗せ乗せの巨額投資を敢行出来るか否かは不透明、しかしながら過去には付き合って?いた時期もありシティにフラれたから出戻りというパターンも充分考えられるか。

金融は直近でもまた損保二位の三井住友海上GH始めとして第四位、第六位の三社が統合計画を発表したが、成熟市場の中での合理化の流れという部分で他業界でも合従連衡は進んでいる。

何れにしろこれらが為されたあかつきには自然な流れとして店舗統合やリストラは避けて通れないところ、グレーゾーンの中をなんとか切り抜けてきたものの今度は胴元の危機から放出危機の可能性に晒されているが、確か順番は違えど某取引員でもこんな運命を辿ったトコがあったなとフト思った次第。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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