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引き摺る鶴丸時代

本日は朝から一寸所用で成田空港へ。ちょうど通って来たチェックインカウンター近辺ではカートやら壁のパネルやらで何かと目に入ってくるクリック証券の広告が目立っていたが、インフル騒ぎも一過となったか地上スタッフや搭乗者やらマスクをしている人を探す方が難しいくらいで何時もと変らぬ光景であった。

さて中央塔の方ではJALのArtwinds25周年記念美術展など催されていたが、このJALといえば先の日経紙でも触れていたように、政府系金融機関の日本政策投資銀行などが月内にも1,000億円程度を融資する見通しになっている模様。

先にも急転直下の下方修正が痛々しかったが、そういえば株価の方もANAの下鞘がもう恒常化しており今やこちらの方が常識として固まってしまった。社長が電車通勤とかその年収がどうのとか話題になった時期があったが、失礼ながらそうしたパフォーマンスを以ってしても根本は特殊法人体質からの脱却遅れという部分が一番の問題点だろうか。

その辺は同紙でも指摘している通り政投銀による同社支援は過去10年で3回目という部分が物語っているだろう。そういえばつい先日もフライトアテンダントと食事をしていた際にも「ウチほどそっちの依存色が強い会社はないわね」と彼女が言っていたのをフト思い出した。


バイブルの影響力

週明けは達成感からか終日冴えなかった株式市場であったが、本日は株式投資のバイブル?「会社四季報」と「日経会社情報」の発売日であった。昨日の日経紙などでその広告を目にし、はやそんな時期かなとも思ったものだ。

さてこのどうにも収まりの悪い小太りな本、ちょっと前までは口座さえあれば送っていたのかどうか彼方此方の各社から一斉に送られて来たものだが、昨今その数も徐々に減って来ているのも世の表れか。

あらためて昨年や一昨年のモノをパラパラとめくって見るにつけ、最高益更新企業やそれに近い企業がいとも簡単に市場から消えていっており、各頁に出ている来期予想や計画も今となってはなんとも虚しく見えてくるもので実に諸行無常の響きありである。

しかしここ一年で斯様に外部環境の急変もあって収益予想一つ取っても困難極めているだろうがそこは所詮予想、よく逆から読んでウソヨなどといわれているが、絶対的な物としてあれこれ考えるのはヨソウ程度の余裕を持たせて見るくらいでちょうどよいのではないだろうか。


“箱”としての役目

昨日は金融審議会が纏める報告書案の全容が明らかになったが、既存株主権利を損なう恐れがある第三者割当増資などの資金調達手法についての情報開示ルールを強化し、違反企業には課徴金を新たに加える旨も盛り込まれる事になった模様。

コトが起こってから重い腰を上げるのは毎度の事だが、先に東証の上場制度整備懇談会などでは300%を超える希薄化を招く第三者割当増資について上場廃止まで含む提言をしている通り、確かに株式併合等でマジックを使えばそれこそ4倍常識どころではなく数十倍まで新株発行が出来てしまうインチキも罷り通っていたのは事実だし、この辺はさすがに放置し過ぎただろう。

しかし今迄喉から手が出るほど資金需要に迫られた上場企業は、もう箱の役目を終えて消えたところ含め新興市場中心に山ほどあったが、数年前までこうした箱を発掘し営業に飛び回っていたアレンジャーの連中はその後の展開と共に随分美味しい思いもした向きも居よう。

斯様に美味しいところはさんざん既に喰われた後という感もあるが、まあこの手の話は別に証券に限った事でなく他もまた然り。怪しいファイナンス物の匂いに誘われてつい手を出した方も悪いとはいえ、少数株主が利用され切捨てられるのもそろそろ見直されるべきだろうか。


アジア中核市場は何処に

さて、日曜日の日経紙経済面にはアジア・太平洋地域の株式市場の売買代金に占める東証のシェアは1〜4月に25%まで落ち、約12年ぶりの低水準となった旨が載っていた。

金融危機の影響とかで投資家の売買手控えが他より目立ったというものの、東京の地盤沈下懸念は先にも述べた通り暫く前からいわれている事でありここ外国企業含めて撤退も続いている。取り急ぎ?の規制緩和等ではたして地盤沈下の速度は緩むかどうかその寄与度も未知数である。

同じ1〜4月でも上海証券取引所などそのシェアは27%と躍進してきており、迎え撃つ東証としては撤退組を補完するというかこの辺の誘致策としてはAIMなどを打ち出すが、これが失敗でもしようものなら同じアジアでも上記のようにそのシェアを伸ばして来ている上海などにアジア中核市場の座を奪われかねない。

時価総額ベースでは依然優位に立ってはいるものの、始動したAIM含めて今後の動向を注視しておきたい。


楽観論と実態

本日の日経平均株価は米市場がメモリアルデー祝日で休場であった事などもあって手掛り材料難から小動きに終始したが、そんな中を直近で増資発表していたテイクアンドギブ・ニーズなどがストップ安まで叩かれていたのが目立っていた。

むろん新株発行によっての株主価値の希薄化、株式需給悪化が嫌気されたのは明らかであるが多くの企業はそんな目先?の事よりバランスシートの問題が重く圧し掛かり背に腹は変えられないといったところだろう。

先週末の日経紙には資金調達が最悪期を脱するとの旨が載り、日銀総裁も記者会見では「緊張感が後退している」ともしているが、一方でここからは決算が過ぎた後の格付け動向が気になるところ。昨年からの不動産業界を見るまでもなく格付けなど一寸の信用低下で市場からの資金調達の景色はガラリと変る。

資金調達が最悪期を脱したとした同紙にはまた三菱UFJの劣後債が個人マネーに人気で完売した様子も書いてあったが、こうした一部個人マネー回復期の恩恵を享受出来るのもこうした一部のみ。こうして起債出来る向きはいいが、一通り嵩上げしてきた株式相場同様にここからは格付け絡めて今後もこの雰囲気が維持されるかどうか注視しておこう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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