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それぞれの活路

昨年末には「和製メジャーへの道」として新日本石油と新日鉱HDの経営統合について触れたが、先週末にはこの新日石と三洋電機が薄幕シリコン太陽電池事業の合弁会社を設立したとの報道があり15年度までに薄膜型で世界一を目指すということである。

新日石としては業界の合従連衡の口火を切ったが、原油価格暴騰で引いた消費はその後の暴落でも喚起されず消費低迷は固定化、こうした石油系燃料に替る分野への活路を見出すのが急務なものの、経営環境の厳しさが増す中で新規投資できる向きは限られてくる中で同社よろしく他社としても今後の出方がまた興味のあるところ。

両者共に個別では上記の通り先の統合組であるが、電力各社のメガソーラー建設計画が目白押しとなるなど外的環境の変化からこうした部分でかつて日本の得意分野であったものが、再び外的要因というか政策も含め掘り起こされ相乗効果が試されるところが昨今の特徴ともいえるか。


My ex

さて、年明けからその揺れも大きくなってきた米金融大手シティグループだが、目下のところ傘下の日興売却についての去就?が注目されている。

現況では三菱UFJが食指を伸ばしているとも喧伝されているが、先週の日経一面にも出ていたようにココは2,880億円の減損処理を行うと発表したばかりで乗せ乗せの巨額投資を敢行出来るか否かは不透明、しかしながら過去には付き合って?いた時期もありシティにフラれたから出戻りというパターンも充分考えられるか。

金融は直近でもまた損保二位の三井住友海上GH始めとして第四位、第六位の三社が統合計画を発表したが、成熟市場の中での合理化の流れという部分で他業界でも合従連衡は進んでいる。

何れにしろこれらが為されたあかつきには自然な流れとして店舗統合やリストラは避けて通れないところ、グレーゾーンの中をなんとか切り抜けてきたものの今度は胴元の危機から放出危機の可能性に晒されているが、確か順番は違えど某取引員でもこんな運命を辿ったトコがあったなとフト思った次第。


年度末への脅威

さて週末はまた上場企業の破綻が表面化しこれで年明け後の上場企業破綻は早くも3社目となったわけだが、昨年の9月に「従来の不動産一辺倒という構図から他業種にまで破綻の波が及んで来た〜」とコメントした件も継続され、今回のエス・イー・エスも今年先に破綻した二社のような所謂不動産ポストではなく6000番台であったところがネガティブサプライズとなっている。

また、昨年11月から「上場企業でもこのままでは年を越せない既にカウントダウンに入っている云々もいろいろと耳に入ってきており対照的に消えゆくモノもありといったところか。」とし果たして続々と予定通り?破綻の道を辿り、それでも何とか年を越せた企業でもやはり年内危ういと聞いていたモノは年明け早々に大型破綻の報道で紙面を飾っていた。

そんなわけで昨年の上場企業破綻は前年比5.5倍の33社で戦後最多となったが、これら含め企業破綻は1万5千件以上、負債総額も倍以上の12兆円超で6年ぶりの高水準となっていた。

年明けて心機一転なんとか希望を持ちたいところだが、日本の事情として年度末が控えており資金需要からいっても破綻第二弾の波が来ないとも限らなく、その中で一応ネットとして政府の緊急保証制度があるものの景気の悪化がこれを軽く呑んでしまう昨今の情勢はまだまだ要警戒といったところか。


ワイドの恒常化

昨日の日経紙経済面だったか東京証券取引所が、CDS指数を作成し投資信託として上場する所謂損失肩代わり商品のETFを検討するとの報道があった。

このCDSも昨年あたりから俄かに脚光を浴びて有名な固有名詞?の一つになったが、直近でこれに関連した銘柄として思い当たるのは株価暴落から一転急騰の乱高下をしているソフトバンクが挙げられ、他にも似たようなボラタイルな金融株があるもののマトモ?なところで600円そこそこから二ヶ月の間に1,000円以上も戻したのだから何とも凄い。

この背景にはCDSを組み合わせて構成する合成CDOという債務担保証券に絡んだ思惑があったのだが、構成銘柄のデフォルトが一つ出る度に数百億円の損失となって表面化する訳だからそのディスクロのあり方も今後の課題として問われようというもの。

その辺は兎も角としてこのようなエッセンスを汲んだ商品が個人レベルにまで降りてきたのには時世の流れを感じるが、金融危機の狭間に咲くあだ花?はまだ今後数多く出てくることになるか。


急場凌ぎ措置

連休最後の昨日の日経紙一面には東京証券取引所と大阪証券取引所が、株価急落企業の増加から上場廃止基準を緩和する方針が載っていた。

この上場廃止基準に関しては当欄で年末にモラトリアムを設ける事で一時凍結する旨一度触れているが、結局年が明けても状況がさほど改善しないので取引所同士で足並みを揃えた措置となったとか。

その緩和の中身としては時価総額下限を4割前後下げるという内容だが、昨年の日経平均が年間で約4割の下げであるから概ねそれに則した内容となったというわけか?

ところで年末に取り上げた時も最後に「猶予期間が延びた事による延命がはたして良いのか否か、いろいろと考えさせられる。」とコメントしたがIPOもこの地合いで不振、東証撤退の外国企業も続出という状況下これ以上の地盤沈下を何とか避けたいとの思いも少なからずあると思う。

そう考えてしまうと何とも後ろ向きな措置は否めなく、もともとこうした企業は個別ではリクイディティー始めとして幾つもの問題点を擁しておりそうした点では問題銘柄を抱える商品取引所も似たようなものであると改めて感じる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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