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増配という演出

本日の日経紙一面には日生や第一等の大手生保が、契約者に約束した保証利回りに運用成績が及ばない所謂「逆ざや」状態が08年3月期決算で解消する見通しと出ていた。

逆ざやといえば生保と並んでメジャー投資家の年金逆ざやも懸念される中、この大手二社が逆ざやを解消するのは01年3月期の情報開示開始以来初めてらしいが、以前に増復配機運の項に書いたように一部は企業収益改善に伴う株式配当増等も寄与もあった模様。

ただ、いまだ本音はディスクロしたくない?基礎利益の部分は減る見通しとの事で既存顧客の解約防止や保険金不払い問題批判をかわしたりする為の守りの増配と指摘されているようだが、この辺を見ていると昨今個別企業においても幾つかが減益下での増配企業政策を取っているという現状と重なって見える。


シリーズ化の事情

本日の株式市場は31円高と平均こそ小動きであったが、出来高上位では三菱UFJ、新日鉄の常連組の次に第三位としてヤマタネが名を連ねている。

土曜日の日経朝刊一面にも載っていたがこれらで囃されているのがコメ価格が上昇、アジアで危機感云々という記事か、折りしもコメ先物はリミットアップだが数量商いが利く銘柄は人気が付き易い。

ただ、コメを広義でみて期末前後からのシリーズとして括ると、もともとは日本農薬やクミアイ化から始まってイハラケミや井関農機、そして今回のヤマタネと中には株主事情の思惑が見え隠れする物もあり現実性の薄い中でもテーマには乗せ易いか。

この辺は政府管理下の事情を考えれば直接的には寄与度という点で疑問符が付くが、先物でも上場の運びとなればそれはそれでまた煽り方も変ってくるのだろうか?


職業倫理

またも発覚してしまったというか、本日の日経朝刊一面には野村証券の社員と知人の計3人がM&A等のインサイダー情報をもとに数十銘柄の株式を売買し数千万円の不正利益を得た容疑と派手に出ていた。

今年に入り証券市場では、宝印刷から始まりNHK、そして公認会計士それも業界最大手監査法人というオマケ付きであったが、またも業界最大手で今度は証券業でトリ?というところか。

とはいっても野村は数年前だったかニチメンのTOBに絡んで社員が、元大和SMBC社員と共に告発された実績?があったと記憶しているが今回はシリーズ化している最中で悪いタイミングであった。

今迄挙げられてしまった向きは総じて資本市場の番人的役割があるが、信頼関係が揺るぎ情報ソース自体も変化してくるような事になると監査も市場も公正でなくなるのは必至、実務以上に職業倫理を再確認する教育がいまさらながらに必要なのではとも思う。


民営化に非ず

週明け本日の日経平均株価は往って来いの急反落となり出来高も今年最低となる薄商い、決算を前にナーバスな展開となっている。

さて個別でもナーバスなのはJパワー問題か、先に当欄では空港会社への外資規制を導入する方向になっている事について書いたばかりだが、今回の件は外為法に基づきファンド側の買い増しを拒否する意向であるという。

またも安全保障の問題が引用され本当にそうなら解るものの、既得権益のみの問題であったらいっそ元々の売り出し段階で民営化という選択を取らなければよかったのではないかとも思う。

何れにせよとうとう民間の投資活動に政府が介入する格好になったわけだが、直近のサッポロのスティールTOB反対からブルドックやチャルメラまで敢えてファンドの意図抜きに語るとすれば、低迷している上に各方面に納得させる説明が無ければ日本の閉鎖性はますますクローズアップされることになろう。


ブランド力

さて本日はあおぞら銀行の大株主である東京海上日動火災保険が、保有する同行株式を売却し資本関係を見直す方針である事が明らかになった旨を大手紙で見たが、東京海上といえば先にミレアホールディングスが社名を東京海上ホールディングスに変更する事を発表している。

設立来なかなか知名度が高まらなかった為に国内外で認知度が高い東京海上を冠に持って来る運びになったそうだが、ゴタゴタ混迷の続く日本も外国でそのブランド地位を地味に築いている企業は本当に多い。

電気・家電の部類に関してはこれはもう解るが東欧に出掛けた折、一寸醤油が恋しくなりスーパーで「ソイソース」と言うと「どの味の?」と聞かれた事が多いが、結局「キッコーマン」の一言で殆ど通じてしまうという事もあった。

他にもヤクルトやカルピス等も然り、ブランドという意味を様々な側面から考えさせられる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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