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変動率に商機

ちょうど1週間前の当欄では「増幅要因」の題でジェットコースターさながらの乱高下の毎日が続いている旨を書いたが、昨日の日経紙マーケット面にも今週過去20日間の変動率が米量的緩和の縮小懸念が始まった2013年6月以来、2年3ヶ月ぶりの高さとなった旨が書いてあった。

文中では長期投資家による買いが入りにくく、実需の売買が縮小するなかで短期投資家による売買が主導する展開が続くとも書いてあったが、今や急増するETF残高も本来であれば長期投資のツールというのが世界標準なのだがとりわけ国内ではレバ型の短期売買等に傾斜しこうした構図も成り立ちにくい。

とはいえこうしたレバ型が売買代金ランキング上位の常連になってきているなど短期系が流行っているだけに、日経平均VIの急上昇やリーマン・ショック直後以来の高水準を記録している恐怖指数であるVIXの50台への上昇などにも商機を見出すETN系も賑わい、大手金融機関も変動率に注目した商品の上場を検討する動きも出ているという。

とはいえこうした眺めは裏を返せば投資家心理の冷え込みを端的に表しており、ボラへ賭ける投機や商品開発の熱は乱高下離脱の先行き長期化を表しているともいえようか。


増幅要因

今週の日経平均は昨日の1,343円高という歴代6位の上げ幅を演じたのも束の間、一転してザラバでは800円以上も急反落するなどジェットコースターさながらの乱高下の毎日で非常にボラタイルな展開が続いている。当欄では近年の日銀によるETF吸い上げの影響もあり一部高寄与度銘柄の板が薄くその辺もボラを増幅させている一因となっている旨を書いたが、先物市場の景色も東日本大震災以来久し振りに見る相場が展開されSPAN証拠金もうなぎ登りとなっている。

先物といえばこれに併せてオプション市場でも先に書いたようにわずか1円のプレミアムがたった4日の間に450倍にも大化けしたり、SQが目前に迫った昨日などほぼ望みの無くなっていた行使価格18750がアットザマネーまでになり、前場は1円だったコールの19250は後場には28円まで暴騰する始末とこれも4年ぶりに見る異常な相場であった。

当然ながらSQ目前にこれだけボラが激しい状況になれば損失回避のリバランスから大挙して売買が傾けばこうした狂乱相場にもなろうが、昨日の日経紙にも「市場揺らす仕組債」と題しデリバティブが誘う特殊な需給要因からのノックイン現象で下げが広がる状況も生まれている旨が載っていた。

仕組債発行の背景には超低金利による運用難があると同紙には書いてあったが、これと同様にセルボラで悠長にプレミアム取りを目論んでいた向きへ東日本大震災の災難が降りかかったように息を吹き返したヘッジファンドの暴力的な売買がこうしたところへも影響を及ぼしている。今月初めに「短期選好」として取り上げたレバ型ETFなど近年の金融商品の多様化も、久し振りにノックインなどの言葉を思い出させてくれたというところだろうか。


短期選好

本日の月替り新甫の日経平均は、円の急反発や中国景気の減速懸念が再度強まり大幅続落の安値引けスタートとなった。いまだにVIX系のETFなど値上がり率ランキングに出てくるだけあって、戻りにしても下げにしてもジェットコースターのような相場が続いているのは成る程自然なところ。

ジェットコースター相場といえば先のギリシャショックの時には日経レバ型への急激な資金流入が続きその売買代金は軽く4000億円を超え過去最高になった経緯があったが、今回の中国ショックでも2万円大台を割ったあたりから純資産が急増しこの影響で先週末の前場には野村アセットが日経レバ型の設定上限接近を理由にETFの新規設定一時停止を発表するに至っている。

ギリシャの時はこれらが底割れを回避するのに一役買ったとも云われているが、以前にコモディティETFを取り上げた時にも書いたようにレバ型はその間接効果を擁するだけに相場の値動きを増幅させる要因になる。とりわけ本邦勢はその回転日数にも見られる通り、短期が恒常化しつつあるだけにその辺の影響には注意しておきたい。


たった4日で450倍化!

先週から崩落が続いている世界の株式市場であるが、本日も日経平均は895.15円安と大幅に5日続落となった。まさに買い方にとっては戦々恐々とした週末であったがやはりショートしている向き以外は明けないほうが良かった悪夢の月曜日になった。

先週末の日経紙には市場関係者による年末までの想定レンジでが出ており、うち一人は下限19,000円を挙げていたが、本日はあっという間にそれを大きく割り込む始末。こんなプロでなくとも先週末辺りは値頃感からマル信で買いを入れた向きも多くこうした鋭角的な下げではこの手が一番厄介だ。

他、オプション市場も阿鼻叫喚の世界。9月物の16000プットなどちょど1週間飴の月曜日にわずか2円だったものが本日のナイトでは一時なんと505円に大化け、その一本前の15750プットに至っては先週の火曜日にわずか1円であったものがやはり本日のナイトでは一時450円と単純に450倍!にも化けている。当然ながらインザマネーだったコールなど4ケタをウロついていたモノがわずか50円以下まで暴落の憂き目に遭っている。

また為替なんぞも然りだが、こんな光景は東日本大震災やリーマン・ショック以来の事、語り継がれる記録がまた作られた感がある。


建設ポスト

本日の日経紙投資情報面には、大成建設の時価総額が昨日に一時1兆円の大台に乗った旨が載っていた。上旬に発表した4-6期決算が大幅増益だったのを好感し、以降連日で年初来高値を更新している事に因るものだが、この1兆円超えは1991年6月以来、約24年ぶりの事でゼネコン株全体でも1兆円を超えるのは96年10月の鹿島以来の事という。

建設ポストの地味さから新興市場などのゲーム関連があっという間に東証の老舗企業の時価総額を抜いて大化けする光景と比較するにやや趣を異にするが、個別では下克上の外食産業などでマクドナルドが再上場したすかいらーくに約8年8ヶ月ぶりに抜かれたりと個別では時価総額も浮沈が激しい。

ともあれこんな個別の飛躍もあってか時価総額も1989年12月のバブル期水準の590兆9,087億円を約25年ぶりに上回ってきたが、以前にも書いたようにどうもこうバブル期にあった高揚感が湧いてこない。次々と各種コードが導入の運びとなり、意識改革が進んでいるものの草食っぽい流れでやはりバブル期相応の高揚感が懐かしく感じる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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