「FLYJIN」なる現象

さて、先の日曜付け日経紙中外時評には「鏡に映ったニッポン」と題して原発事故以降に外国人の東京脱出や帰国ラッシュが急増した模様等が書かれていた。確かに震災後入管や空港に外国人が殺到している様はさながら日本が完全に見捨てられている様以外の何物でもないような光景にも映ったが、一連の官民ディスクロをみればそんな行動も已む無しか。

一般はともかく、先に書いたように外資のビジネス関係は今回のような危機的事態下で企業トップがとっとと海外脱出して日本不在にしてしまうような向き(まあ、日本もその危機の根源となった東電のトップは体調が悪いとかでとっとと病院へ逃げてしまったが・・)と、残って陣頭指揮を執っている向きがけっこうハッキリ分かれたが、消費者はけっこうこういったところを見ているものである。

ロクなプレスも無しにいきなり店を閉めてしまう暴挙?に出たブランド系など一部ファンにはがっかりした向きも少なくない筈だが、一方で一応発表した向きもその理由が各社辻褄の合わない苦肉の言い訳が窺えてある意味面白いような残念なような複雑な気持ちになるものである。

しかし日本人でさえあれこれ裏読みしなければならないディスクロでは、異国の地で更に読み解きが難しい外国人には無理も無いか。日経紙文中に外国人ジャーナリストの話があり、「外国語に論理的に訳しようのない言い回しが多用されているが、もし悪意があればこうした曖昧な特徴を使って誰も責任をとらずに幾らで好きなことが言える。」との旨が書かれていたがまさに的確な表現。これほどの先進国にあって、その実体は官民揃って責任の所在が曖昧になりがちな日本社会の構造は海外から見ると相変わらず奇異に映っているものだ。


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