今回は茶器
さて今週で終了となってしまうが、過日は「茶会への招待-三井家の茶道具-」と題して同家伝来の茶道具の数々を展示している三井記念美術館へ行ってきた。
この美術館には直近では昨年末の能面と能装束の数々を展示した「神と幽玄のかたち」以来で比較的日が経っていないが、今回は他のところで観た重要文化財の俊寛の黒楽茶碗も出るということからやはりこの辺は見逃せない。人によっては一見ラフにも見えるこの碗だが、果たしてというか茶が入った絵を想像するになんとも計算され尽くされた一品である。
他の桃山時代からは、業平の伊賀耳付花入などえもいわれぬ素晴らしい色合いであったし、珍しいところでは如心斎の横物「老来無力且坐喫茶」は短いながらその言葉に深い意味合いを感じたものだが、この辺は写真さえ出回っていなく初めて観たものであり他も含めて此処へ落ち着いた個別の経緯など見るにやはり三井家の懐の深さが毎回感じられる。