業界初の上場

さて、今週目に留まったイベントのひとつに海外市場でのIPOがあったが、日本のパチンコホール大手のダイナムジャパンホールディングスの香港証券取引所への上場がそれである。注目の初値は公募価格仮条件の下限で決まっていたこともあって公募価格と同値の14香港ドルとなったが、注目はパチンコホール運営会社の上場自体が国内外で初めてというところだろう。

これで思い出すのが、かつて上場を目論んだ同じパチンコホール運営大手のピーアークである。今から数年前にたしか日興が主幹事でジャスダックに上場する準備が整っていたものの、三店方式換金システムの合法性の部分が引っ掛かって投資家保護が見出せないとして上場が叶わなかった経緯がある。

それが今回の香港証券取引所に上場が叶いしかもGEMでなくメインボードへの上場というから、関係者としてはさながら取引員が初の株式公開を果たした時のような興奮を覚えたに違いない。グレーゾーンという色の濃淡が大きく変わることは無いと思うが、おりしも規制強化の流れの中で同時に参加人口減もいわれる業界、いずれにしてもこの香港証券取引所への上場が、こうしたグレーゾーンが絡む業界を巡る制度論に一石を投じるのかどうか今後注目されよう。


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