仕分けされるもの残されるもの

さて、過日は馴染みの店が銀座から青山に移転し、リニューアルオープンしたとかで友人夫婦の招待を受けてそちらで楽しい食事会のひと時を過ごした。其処に向かう際に久し振りに「こどもの城」前を通り過ぎたのだが、そういえば此処は老朽化が進んだとかで厚労省が2015年3月末で施設を閉館することを決めたとの件をふと思い出した。

最近はいつまでもあるようなイメージのものが突然というかあえなく閉館が決定されることが多いが、「ホテル西洋銀座」なんぞもその類か。そういえば上記のこどもの城は「青山劇場」や「青山円形劇場」を擁するが、このホテル西洋銀座擁する「ル テアトル銀座」もまた青山劇場、青山円形劇場同様に共に閉館が決定している。

何れも改修費等の折り合いが付かずに事業継続断念とのことだが、例えば青山劇場等は今まで子供のミュージカルブームを主導したり演劇人の登竜門となってきた経緯がある旨が日経に出ていた。そうそう、子供関連といえばこの手に限らず市民プールなんぞの公営施設も一気に全廃などという動きも近年目立ってきたが、これもまた大規模修繕の都合が付かない為なのだろう。

何れも高稼働率に単体黒字を弾き出すというが、構造上や更新費の壁があり切り売り事業化は無理とか。それでも閉館決定の動きに対してはまだ間に合うと見直しを求める意見書の動きも出ているというが、政府では少子化対策なんぞと喧しいものの、行政の都合で何でも機械的な処理に走る前に少しでもこうした動きに耳を傾ける姿勢を持たなければそれこそ掛け声倒れではないだろうか。

「こどもの城」のシンボル的なモニュメントであった岡本太郎氏の野外彫刻も静かに終りを待つ佇まいがどことなく荒涼とした感だが、これも一体何処にゆくことになるのだろうか。


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