拡大解釈なる便乗

例年この時期になると会計検査院による決算検査報告書が出るが、昨年度の税金無駄遣い等の経理処理が不適切と指摘したのは513件、計約5,296億円となり前年度比で1.2倍、過去最高であった21年度に次いで実に2番目の規模となった模様だ。

今の民主党政権といえば事業仕分けなんぞで歳出抑制が強調されていたものだったが、果たしてというか無駄使い放題といったところだろう。この中でもやはり酷いと思うのは昨年の大震災絡みの案件で、復興予算が被災地と関係の薄い事業に流用されていたのが次々と明らかにされたり、先月末の日経「春秋」には復興予算が東京スカイツリーの開業イベントに流用されていた旨も書いてあった。

また防災に絡んでは90億円以上を注ぎ込んだJ-ALERTが有効活用されていなかったというのもあったが、上記の復興予算など日経紙によれば「拡大解釈」という抜け道の便乗要求があるという。解釈といえば2006年のちょうど今頃の記事でも「解り合えない解釈」の題で、社会保険庁が売却予定美術品のデューデリにおいて美術品に有るまじき一律算定をした事がこの検査院から問題視されたことを書いたことがあったのを思い出す。

しかし、復興増税と消費税増税の負担を一般に求める一方でこんな杜撰な割り振りはほんとうに呆れる。飄々と所信表明をのたまうのもいいが、例えば直近のネット証券4社による証券優遇税制の延長要望など速やかに対応する姿勢こそ先ず持ってもらいたいものだが、今の政権にその辺を求めるのは無理というものか。


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