解け合い出来ず

さて、かれこれ8年も前のことになるにもかかわらず今でも鮮明に記憶が蘇るジェイコムHDの株式誤発注事件だが、この誤発注で東証のシステムに不備があった為に損失が拡大したとして東証側に損害賠償を求めていた訴訟の控訴審判決で東京高裁は本日に東京地裁判決を支持し、みずほ、東証双方の控訴を棄却している。

この誤発注で発行済株式数をはるかに上回る引き渡しを強いられ、結果数十年ぶりに見られる解け合い処理となったワケだが、それにしても当時は売停せずに続行したのも含め俄かに信じられないような数日間であった。辛うじてこの火事場泥棒的なディールで取った証券会社は後に利益返還の動きを見せたが、個人はなんでもアリの世界だけにアッという間に数億円の利益を手にした向きも居たのは有名な話。

しかしもうかれこれ10年近くになる泥沼裁判だが、個人ベースで見ても双方共に明らかな過失が存在しこれら均衡点を見つけるのは不可能に近くこちらの解け合いは無理と思える。
裁判の過程で争点になったのはシステム上の所謂バグが重過失になるか否かというところだが、バグ自体はどんな最新鋭といっても一定の確率で発生は避けられずこの辺はケースを変え今後も争点の種としての座は譲らないだろう。


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