何所かで漏れる
先週末の日経紙夕刊一面には「弁護士、インサーダー疑い」として、顧問弁護士を務めるジャスダック上場企業が公募増資をするとの情報を事前に入手し顧問弁護士の立場で公表前に保有していた同社株を売り抜けたとして、東京都内の法律事務所所属の弁護士に証券取引等監視員会がインサイダー取引調査を進めている旨が載っていた。
弁護士のインサイダー取引が発覚し公表された例としては、1995年の日本織物加工の第三者割当増資に絡む売り抜け事件があった程度というから意外に少ないようにも感じるが、表に出てこないというだけでこのポストは実際は可也の事例が隠れているのではないか?
今回の件も前回の95年の件も増資で株価が下がるのを見越した売り抜けであったが、昨今は稀に株価が上がる例も出始めておりモノによってはインサイダーも読みが必要になってくるか。それはともかくも増資なら株価が下がる確率が高いという程度だが、確実に株価が紙屑近辺にまで崩落するのが対象企業破綻である。
過去幾つもの上場企業が市場から消えていったが、連日の逆日歩責めに遭いながらもじっと耐えて来るべきXデーを待ち望んでいた輩が兜町にはウヨウヨ居たのも情報元として上記のような間違いない筋からという実しやかな話が常に出ていたものだった。情報が伝播するほど逆日歩がハネ上がり売り禁がチラついたものであったが、銘柄を思い出すにその一つ一つが非常に懐かしくもある。