53年の歴史に一旦幕
今週あたまの日経紙・春秋には、建て替えの為に営業を一旦休止する「ホテルオークラ東京」本館の事が書かれていたが、帝国ホテルやホテルニューオータニと共に日本を代表する「御三家」名門ホテルの本館が31日、ロビーで行われた記念コンサートと共に53年の歴史に一旦幕を閉じた。
取り壊しが決まった他の有名建造物同様にこのオ−クラ本館もオークラ・ランターンや梅の花を模した家具、壁の多胡石、西陣織の屏風壁等々幾つもの日本美術の粋を結集させた建造物なだけに、国内外から多くの著名人が取り壊しから救おうと嘆願の動きが見られたが、やはり次世代を睨んで世界レベル水準を標榜するには老朽化の問題は避けて通れなかったというところだった。
このオークラ開業は前回の東京オリンピック2年前の1962年であったが、今回も東京オリンピックの1年前の再開業を目指すという。この赤坂・虎の門エリアではキャピトル東急や赤プリ、それに六プリもその元々の姿が消えてしまったが、相次ぐリニューアルの背景にはインバウンドも睨み名立たる外資勢に対抗し得るブランド価値向上の意図が見え隠れする。
御三家と外資勢、利用してみると本当に良くわかるのだがそれぞれそのホスピタリティは全くカラーが違う。そういった観点から贔屓筋の客層は被らないと思うが、外資勢とはまた違った独特の色という武器を大切にし継続出来てこそ日本ブランドの価値が一際光るものとなろうか。