EU試練
周知の通り先週は英国のEUからの離脱を問う国民投票があり、その開票結果は離脱支持が全体の過半数を占めて離脱が決定、下馬評では残留ムードで一致していただけにサプライズとなったが実にEU加盟国の離脱は初めての出来事で、同時に残留を説いてきた英首相が辞任表明するなどその日のうちに大きく動揺が広がった。
大きな動揺を見せたのはやはりマーケットも然りで、FXを展開している証券会社など事前に損失シミュレーションを書いた注意喚起メールが何度も来ていたが、果たして当の英通貨ポンドは対ドルで31年ぶりの安値に沈み、比較的低リスク通貨とされる円は対他通貨で急騰とかつて何度か見た光景が再度蘇った。
寄り直後から逐一の報に一喜一憂していた株式市場も昼から下げが加速し結局1,286.33円安と16年ぶりの下げ幅を記録。225がこうなると凄いのはオプション市場で例えばディープアウトの11,000Pは寄り付き直後の2円の安値から、昼前には29円と約15倍にまで暴騰、これを始めとしここから13,000Pまで何れも寄り付き直後の安値から10倍以上の暴騰を演じることとなった。
しかし個別の投資関係はこんな感じとしても、今度どうなる世界情勢。本邦も企業など練り直し始めアベノミクスには向かい風となるのは想像に難くないが、英に限らず他国もこの手の素地がありポピュリズムとどう向き合ってゆくのかも今後の課題となってくるだろうか。