現代インフラの盲点

さて、先週木曜日の当欄ではポケベル全盛期の頃は当時のJK世代によく公衆電話が占領されていた旨を書いていたが、まさかそれを書いた日にもうここ何十年も見ていなかった公衆電話に挙って人が列を作っている光景を見るとは思わなかった。言わずもがなこれはその日に発生したソフトバンクの大規模な通信障害に因るもの。

周知の通りその影響はザッと挙げてみても連絡手段を奪われ待ち合わせからナビや検索も出来なくなったのをはじめ、運送会社の集荷や再配達情報はドライバーに届かず、モバイルSuicaでの予約や入金も出来なくなり、QR決済PayPayでの決済やらライブ入場の為の電子チケットも利用出来ずと何気ない通常光景がこの日は一変である。

今回日本に限らず今回不具合を起こしたエリクソン社製のデータ通信用交換機を使用するイギリスはじめ世界11ヵ国で同じ事態になる異例の大規模障害となり社会に必要不可欠な基盤となった通信インフラの意外な脆弱さが露呈されたが、仮にも2020年の東京五輪でこんな事態になったらそれこそ大パニックである。

今回の通信障害による経済損失は一部に約5000億円ともいわれ、今後は法人個人問わずソフトバンクに対する損害賠償請求の可能性も囁かれはじめたがソフトバンクの上場を間近に控えたこの期に最悪なタイミングだった。また早速というかこの通信障害に便乗した迷惑メールも相次いでいるが、インフラへ過度に依存度が高まってしまっている現代社会に課題を突き付けた格好となったか。


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