遠のく風物詩
今週は某回転寿司チェーンの前を通った際に「価格高騰なんのその!かに祭り」なる宣伝を見掛けたが、カニといえば先週解禁された日本海のズワイガニ漁の初セリでは鳥取港での競りでブランドカニ「五輝星」が、カニの落札価格としてはギネス記録を塗り替える世界最高値500万円で競り落とされた旨が各紙で取り上げられていた。
ちょうど昨年の今頃に当欄では「季節の味覚が危うい」と題し、ズワイガニとタラバガニの輸入価格が過去最高値となっている旨を書いたが、アジア諸国の嗜好変化に加え日本海では今年も稚ガニの数が過去20年間で最低の水準と生息数は減っており資源量は2年後までに更に2〜3割減る見通しと先週の日経紙にも出ていた。
ウナギの高騰はもう何度も取り上げているが、先月末はサンマが鯛よりも高くなった旨を書き、このカニも昨年に続いての高騰と通年で丑の日、サンマ祭りや鍋におせち等々節目のイベントに不可欠なモノが次第に高根の花になりつつある。競り落とされた冒頭のカニは銀座の料亭に出荷されるようだが、こういったブルジョワ向けは兎も角も一般向け水産物も受難の時代になりつつあるか。