経営者が占った2020年

さて、年初の当欄では毎年日経紙で恒例の「経営者が占う」シリーズを取り上げているが、いつもの通り振り返ってみたい。日経平均の高値予想は平均で25450円であったが、年末の27196.40円とこれを大幅に上回る結果となった。また安値予想も21625円に対して16358.19円とこれまた予想を大幅に下回るものであったが、結局コロナ禍での未曾有の乱高下で3月の安値から年末高値まで11,000円を超す値幅は30年ぶりの大きさだったというからこれが当たる筈も無しというもの。

ただ個別の有望銘柄予想ではトップであったソニーが低金利環境の継続を受けた大型グロース株物色の流れに乗り約20年ぶりの高値水準まで上昇とヒットを放った他、2位のトヨタ自動車、それに次ぐ3位だった信越化学工業などもこの1年で5割以上の上昇を演じて上場来高値を更新しこのソニーと共に時価総額を大きく伸ばす結果となった。

他に三越伊勢丹の社長やセコムの社長が取り上げていた8位のNTTドコモはTOB銘柄となるなどこちらも面白かったが、味の素の社長が一推ししていたエムスリーも年間上昇率は上記銘柄を遙かに凌ぐ300%とダントツのパフォーマンスを演じた事で昨年ベスト10にも入っていなかった同銘柄が今年の有望銘柄予想5位にランキングされている。他に有望銘柄予想は上位3位まで昨年と同一とまたもこの辺は手堅く置きに行ったという感じ。

ところで今日は東京で新型コロナウイルスの感染者数が昨日を一気に800人も上回り2400人超と2日連続で過去最多を更新するなか、日経平均は1990年8月以来およそ30年5か月ぶりの高値を更新と何とも不気味な構図。今年の高値予想は3万円台の大台も出てきたがそんな期待通りに牛年で「ブル」な展開になるのか、はたまた相場格言の如く「丑つまずく」になってしまうのか注目してゆきたい。


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