49年の歴史に幕

さて、京王プラザホテルが開業50周年という事で同じく発売50周年となるカップヌードル?と何故かコラボ企画を展開するようだが、この京王プラザホテル開業の翌年に開業した九段下のホテルグランドパレスは開業50周年という節目を前にして昨日で営業を終了しその49年の歴史に幕を閉じる事となった。

皇居の緑をのぞむ好立地にありドラフト会議の舞台にもなった老舗ホテルの退場は衝撃であるが、新型コロナウイルス感染拡大による利用者減少で昨年末から営業休止を決めていたところに2度目の緊急事態宣言がとどめを刺した格好ということになっているものの、他の老舗ホテルよろしく老朽化施設の改修が必要な事も重荷になったのは想像に難くない。

しかしいつまでもあると思うなで、有名ホテルが消えることになる度に例えば赤プリのフォアグラサンドや西洋銀座のエッグベネディクト等々そのホテルで思い入れのあるメニューが頭に浮かぶものだが、差し詰めグランドパレスといえば訪れる度にいただいた舌平目のボンファムや伝統の帆立貝柱のピラフなど他では絶対真似の出来ない味と今更ながらしみじみ思う。

閉館を数日後に控えたスイーツコーナーではこれまた二度と味わえないとばかりに名物のオレンジケーキを予約していた客でごった返していたが、その先には手書きで49年間のご愛顧まことにありがとうございましたとのメッセージボードがポツンと寂しく置かれていた。日本の都市文化の象徴的な拠点がこのコロナ禍でまた一つ姿を消すことになる。


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