山高ければ谷深し?か

昨日の日経紙グローバル市場には「急成長株買われ過ぎ警戒」と題し、サイオン・アセット・マネジメントやムーア・キャピタル、ジョージ・ソロス率いるソロス・ファンド・マネジメントなど米投資家の錚々たる面々が提出する四半期報告書の分析において、個別では下落を予想したポジション構築やリスク回避の売却への動きがある旨が書かれていた。

冒頭のサイオン・アセット・マネジメントのマイケル・バーリ氏といえば、2007年から2009年の金融危機時にいち早くデフォルトが多発すると読みCDSで大きな利益を上げた事で有名だが、報告書ではハイテク株への集中投資で知られるアークインベストメントの旗艦ETFのプットオプション23万5500口取得し、更にはアークの最大の投資先でもある米テスラのプットオプションも107万5500株分保有している模様だ。

これ以外のファンド勢もアークが組成したETFのプットオプション物色が目立ち、サイオン・アセット・マネジメント以上に取得している向きもある。標的となっているモノはいずれも新型コロナ禍の下で急上昇したものだが、上記のようなテック株以外でも斯様な環境下で急上昇したモノに以前当欄で「退屈消費の勝者」として取り上げた高級ブランド株もある。

この時はLVMHが37倍、エルメスに至っては60倍超など置いてけぼりの高PERと書いていたが果たして軒並み値を崩してきている。コロナ禍で急膨張してきたテック株に高級ブランド株、毛色は違えど双方共に中国当局による規制強化がトリガーとなり改め随分と高い所へ上ったなと漸く気付き始めるものだが、山高ければ谷深しの格言通りとなるのか否か今後もその動向から目が離せない。


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