対処療法の行方

さて、ウクライナ情勢の影響が10月の改定に反映される事から価格の大幅引き上げ必至と見られていた小麦価格だが、昨日に首相は政府から製粉会社に売り渡す輸入小麦の価格を10月以降も据え置くよう指示した。政府による小麦価格の抑制策は14年ぶりで、更にガソリン等の燃料価格抑制策と併せ来月上旬までに追加の物価対策として取りまとめる事にしている。

関係各所も一先ずは安堵というところで確かにガソリン価格がこれ以上高騰しないようにし、小麦が原料のパンや麺類などの値上げ圧力も抑えて家計への負担を和らげる狙いというのはわかるが、対処療法の持続性と輸入価格上昇に伴うコストアップそのものを腕力でもって打ち消し続けるのは価格メカニズムの機能面からみて如何なものかという一部指摘も出ている。

確かに補助金で上昇を抑制しては民間部門おける資源利用効率化の動きを遅らせる事になり、長期的には政府の方針でもある脱炭素の流れにも反する矛盾も出て来る。矛盾といえば日銀のデフレ脱却を目指す金融緩和策とも政策的不調和があり現状の対処療法も苦渋の選択と取れないでもないが、価格メカニズムを生かしながら国産食材のバランス等なども併せ輸入に頼る食材などは抜本的対策が急がれる。


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ