依存体質

本日の日経紙金融経済面には全銀協が115行を対象に仕組み債等に絡む実態調査を開始した旨が出ていたが、デリバティブを駆使し国債や社債より高い利回りが出るよう設計した金融商品の所謂この仕組み債、既に三井住友銀行は販売を停止し楽天証券も先月末で全ての仕組み債の取り扱いを停止、更に今月から横浜銀行や京都銀行など6地銀・グループも仕組み債の個人販売を全面的に停止している。

この背景には先に金融庁が2022事務年度の重点施策をまとめた金融行政方針を発表しているが、ここで仕組み債が名指しされ販売する金融機関にその販売状況をヒアリングする旨の明記があった点などがあるようだ。証券子会社などを持つ地銀グループの販売構成を調べると実に約4分の1にあたる23%が仕組み債であったという。

仕組み債といえば10年以上も前からリーマン・ショック等の相場急変が起こる度に有名私大や地方自治体の損失などその都度問題が表面化してきた商品で、その変動の激しさ故に関西の某地方自治体など相場急変による値洗い損の拡大で訴訟を起こしたものの、アベノミクスの波で値洗いが一気に改善し訴訟が取り下げられたというヤレヤレな話もあったのを思い出す。

いずれにしろ直近では野村や大和など大手証券まで足並みが揃った感のあるこの度の動きで、喉元過ぎればでこうした金融商品に依存してきた向きには死活問題というところも出て来よう。ただ金融庁としても「貯蓄から投資」が喧伝されるなか、こうした流れが削がれるような金融商品の問題はマズイというのは想像に難くなくそういった意味でも今回の本気度が窺える。


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