COP27

地球温暖化対策を話し合う国連会議であるCOP27の首脳級会合が終了したが、今会議は仏大統領や英首相がロシアによるウクライナ侵攻のエネルギー危機は気候変動対策に遅れを取る理由にはならず迅速に行動しなければならないとしながらも、今はこれまで話し合った様々な目標を実行出来ないと開始前から気候変動交渉官らが明言するなどやはりロシア侵攻が状況を一変させた感は否めない。

実際のところロシアへの経済制裁でエネルギーの輸入をストップさせたヨーロッパの燃料費高騰の酷さは連日報道されている通りで、これまで脱炭素を牽引してきたEUは石炭の取扱量が急増、段階的に火力発電所廃止の方向に向かっていた国も石炭利用拡大が報じられるなど各所で石油石炭回帰の動きが各所で活発化、先進国にあっても耐えられぬ民が各地でデモ行動を起こすなど反発する動きが多発している。

そうこうしている間にも着々と温暖化は進行しており今年は我々も猛暑日の多さを本当に実感した夏であったが、上記のヨーロッパはじめとし各国では猛暑どころではない最悪レベルの干ばつ化が進行し、パキスタンでは実に国土の3分の1が水没する事態に陥るなど生活を脅かす被害が世界中で多発しているのが現状。

これまで世界の気温上昇を1.5度に抑える努力を各国が追究するとの合意であったが、この設定した各国の目標が全て履行されたとしても今世紀末までに気温は約2.5度も上昇してしまうとの見通し。会議の冒頭で国連事務総長は「人類は選択肢がある。協力するか滅びるかだ」と発言していたが、まさにいま試されているようにも見える。


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