受け継ぐ意味

本日の日経紙商品面には、中国による宝飾品と地金・金貨の1~3月の需要は前年同期に比べて16%増加し、中国人民銀行も4月まで6か月連続で保有量を増加させるなど個人や中銀の強い購入意欲が明らかになった旨が出ていた。個人は人民元建て資産を不安視し、人民銀行には米ドル離れの狙いがあるのが背景にある模様。

インドと並ぶいかにも金嗜好の強いお国柄といった感じだが、この金といえば国内では話題になっていたところの豊臣秀吉が戦国時代の武将、藤堂高虎に授けた褒美との伝承が残る「黄金の茶道具」一式が先週のオークションで出品され、競り合った末にはれて茨城の美術館が3億円で落札した模様だ。

かつて日本美術の少なくない数が散逸したが、近年では若冲のコレクターで有名なジョー・プライス氏の旧蔵品を出光美術館が購入した事により纏まって日本への里帰りが叶っている。今回の黄金の茶道具も主催のシンワオークションは事前に真贋の保証はしないとしていたが、曲がりなりにも国宝級の逸品であろうと思われるものが日本の中できちんと受け継がれてゆく一歩となったのは一先ず一安心か。


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