事実上の撤退?

さてESGを巡る社会的分断についてはこれまで何度か取り上げてきたが、先週の日経紙夕刊では米格付け会社のS&Pグローバル・レーティングが信用格付けリポートに記載していた企業のESGの定量評価についての公表を取りやめる旨の記事があった。同社は先月に決算を発表しているがESG関連については全体の足を引っ張っていた模様だ。

同社はこのESG分野での収益目標等も取り下げた模様で、今回の定量評価の公表停止は記載方式の変化にすぎないとしているが、昨年に同社は共和党が優勢な州からESGの定量評価を公表することに反対する旨の書簡を送られた経緯がありこの辺も影響していたのは否めないところだろう。

ESGに関しては先に反ESGを掲げる州から運用資金を引き揚げられたブラックロックのCEOもこの用語が攻撃材料として使われる為に自身としてはもう使うつもりはないと公言した経緯があるが、こうした運用会社や今回のこの格付け会社の事実上の撤退ともみられる動きで各企業のESG対応への影響が注目されるところだ。


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