上場までも上場後も

先週は100年に一度といわれた渋谷再開発のラストピースともいえる渋谷駅直結の大型複合施設である「渋谷サクラステージ」がオープンしている。この開業式典では出席していた首相は、「新しい資本主義の重要な担い手はスタートアップだ。スタートアップ支援の拠点となって、新しいイノベーションを起こす役割を期待したい。」と述べていた。

このサクラステージ、起業家の支援を目的とした会員制のシェアオフィスを擁しており施設に入居するスタートアップ企業と大学の産学連携の取り組みを実施する予定となっている。ところで冒頭の首相挨拶にも力が入っていた通り、政府は日本経済の起爆剤として2年前には「スタートアップ5か年計画」を作成している。

90年代に渋谷は米シリコンバレーに倣い渋谷ビットバレーといわれたものだったが、この5か年計画ではスタートアップへの投資額の大幅引き上げ、将来においてはユニコーン企業100社創出、またスタートアップ10万社創出などを目指すとして、日本がアジア最大のスタートアップハブとして世界有数のスタートアップの集積地になることを目指すとしている。

とはいえ日本のスタートアップは上場ゴール等と言われて久しい。先週末にも東証グロース市場に隙間時間で働ける単発バイトの仲介アプリを展開するタイミーが上場していたが、セカンダリーマーケットのステージに移行した後も伸びてゆくには法整備等で諸外国に比べ制度面などで見劣りする課題もあり、上場まではもとより今後は上場後も視野に入れた支援策定も求められようか。


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