103ページ目   雑記

報告徴求命令ループ

さて、周知の通り先の日曜日にはみずほ銀行の全体の8割にあたる約4300台のATMが正常に稼働せず、預金引き出しや操作中のATMからキャッシュカードや預金通帳が戻らないなどの障害が起こった。定期預金に絡む約45万件のデータ移行に加え、月末の処理で負荷がかかったとの事だが障害の歴史にまた一つ加わった格好。

みずほ銀行といえば思い出すのが一番最初の2002年のみずほ発足時に起きた旧3行のシステムを接続しようとして起きた障害か。二重引き落とし問題などが起こったものだが、それに次いだのが2011年に起きた東日新本大震災の義援金に絡む大規模障害、これらの経緯を踏まえ4000億円以上の費用を投入し基幹システムの全面刷新をし2019年夏に稼働を開始したがまたもやという感じか。

私自身はみずほ銀行は普段使いしていないものの、運悪く日曜日だったというのもあるとはいえ利用者を長時間放置した当日の対応も問題だろう。金融系のシステム障害といえば先の東証システム障害も然り、これら相次ぐシステム障害は個々の経営改革の足枷になるばかりでなく顧客の不信感を助長し金融不安を引き起こしかねない芽にもなるだけに、重要な社会インフラを担う重みを改めて認識すべきだろうか。


日銀の布石

さて本日の日経平均は半値戻しの急反発となるも、世界的な金利上昇を背景に2月の最終売買日となった先週末の日経平均は1200円を超える急反落となり2016年6月24日以来約4年8ヵ月ぶりの大きさとなったが、今月に入ってからのマーケットでは下げ相場の中で日銀によるETFの買い入れがぱったりと止まった旨でにわかに話題になっている。

事実、日銀はここ約5年ほど前場のTOPIX下落率が0.5%を超えた日は必ず買い出動してきた経緯があるが、先週末の日経紙には今月に入ってから18日、19日、そして直近では先週24日と前場のTOPIX下落率がいずれも0.5%を超えたにもかかわらず日銀に動きが見られなかった旨が書かれていた。

この辺の背景には来月の決定会合で公表予定の「金融緩和の点検」を巡って、ETFの買い入れ減額を視野に入れた柔軟化措置などが含まれる政策対応等への布石との見方も一部に出ている。当欄では丁度1ヵ月前に「残高増と出口論」と題しインフレ目標は未達乍ら更に残高を積み上げる状況ではなくなっており出口戦略についての議論は続くとしたが、リスクプレミアムが縮小するなかまさに保有構造の正常化に向けた節目に差し掛かったといえるか。


コロナ禍どこ吹く風

さて先週の日経MJ紙の一面を飾っていたのは「富裕層は揺るがない」と題して、新型コロナウイルスの感染が拡大したこの1年でも日経平均株価が3万円の大台を回復するなど株高による資産効果が富裕層の消費マインドを後押しし、個人消費が弱いといわれているなかでも高額消費が堅調な旨の記事であった。

ここではそごう・西武が昨年開催した富裕層向けの催事「高輪会」が取り上げられ、現代アートやダイヤモンドのルースなどが売れゆきも良く前年同月比20%増の売り上げになった旨や、高級輸入車の売り上げも昨年は1000万円超の高級車が前年比0.5%増となり5年連続での前年超えとなった旨が書かれていたが、不動産もまた然りで億の桁のマンション市場も即成約が多く不況知らずという。

ところで斯様な億ションなど私には無縁の存在だが、今月は「三越 春の逸品会」に招待されたので過日ニューオータニに出向き選りすぐりの品々を観てきた。エントランス付近に置かれたクルーザーやプライベートジェットの案内を横目に見乍ら、アールデコのガラス工芸品からペルシャ絨毯含めた店舗ではなかなか見られないような一点モノの伝統工芸品の逸品を十分堪能する事が出来た。

また高輪会よろしく店頭では見た事もないような大粒ダイヤのルースも目の保養になったが、印象的だったのは外商さんがズラリと並ぶ独特な雰囲気のなか会場内の各ブースは成約した顧客でごったがえし混雑を極めていた光景か。何かこうコロナ禍で制約されてしまった従前消費の鬱憤を晴らすが如く高額消費にぶつけている感もあり、まさに「富裕層は揺るがない」を目の当たりにした一日であった。


時価総額1兆ドル突破

さて、先週からビットコインの乱高下で市場が喧しく本日は仮想通貨関連銘柄のシンボルストック的なポジションにあるマネックスGやセレスなど直近でのビットコイン急反落を受け軒並み急反落となっていたが、一昨日の週明けはセレスがストップ高で年初来高値と同時に上場来高値を更新するなどこれらは一斉に急反発となっていた。

これらの背景になっていたのが周知の通りのビットコインの急騰で先週末にはその価格が初めて55,000ドル台を突破し史上最高値を更新、結局週間では11%強、月初からでは6割強の上昇となっており活況な市況を背景とした仮想通貨取引の売買が今後も膨らむとの見方からこれらの人気に連動する格好で関連銘柄が再度蒸し返された構図だ。

その時価総額も先週は予てよりこの大台がETF承認条件の一つともいわれてきた1兆ドルを遂に突破することとなったが、北米で初の承認を受けたパーパスインベストメントのETFの資産運用残高は上場後わずか2日で4億2180万ドルと目覚ましいスタートを切る事となり、続いて翌日には別の「EvolveETF」もはれて上場の運びとなった。

またこれに続いて同じくカナダの金融会社CIファイナンシャルも小会社を通じビットコインETFの予備申請を行ったほか、デジタル資産運用の3iQも予備申請を行っているが、JPモルガン・チェースはじめとして懐疑的な見方が燻り続け要人の一言で20%以上も変動する現状はたして新たな成熟の段階に入ったのか否か今後もこれらETFと併せその動向には注目しておきたいところ。


ペコちゃん社外取締役

さて、来月の決算に向けて各企業が発表する決算・人事情報が各紙で取り上げられているが、これに絡んで先週目に留まったのがペコちゃんで知られるところのあの不二家の取締役に女優の酒井美紀氏が就任するという件か。これまでの同社アンバサダーの経験を買われ来月の株主総会の承認を経て就任予定の運びという。

ところでこう言っては一寸失礼かもしれないが、この報で思い出したのがもっと有名?なところで昨年の6月にあのハリー・ポッターシリーズのハーマイオニー役をやっていた女優で近年はアクティビストで話題なエマ・ワトソンが、グッチやサンローランなどを傘下に展開するケリング社の取締役に就任した件か。

それは兎も角も近年こうした女性の社外取締役を巡ってはコーポレート・ガバナンス改革を背景に社外の優秀な女性人材を迎える動きが広がってきており、不二家のような東証一部上場企業に在任する女性取締役は昨年日経紙が報じたところによれば前年比で22%増加したという。

折しも直近では東京オリンピック組織委員会の森会長が女性蔑視の失言で炎上、多様性に反するとして辞任に追い込まれた経緯があるが、斯様に投資家や株主の圧力が高まるなか企業側も多様性の観点から彼らに説明がし辛いなかでこれらを重視せざるを得ない空気になってきている証左だろうが、一方では女性の社内取締役は微増にとどまっておりこの辺のハードルが変ってゆくのか否かも今後の注目点か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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