149ページ目   雑記

売る悪に買う愚

本日の日経紙企業面には「マスク半月で10億枚出荷」と題し、猛威を振う新型肺炎の感染拡大を受け国内では1月中旬以降の約2週間で平時の国内在庫相当の10億枚が出荷され、メーカー側の増産能力を超えている事で小売店では品切れに悩み購入制限を設けるなど品薄が深刻化している旨が出ていた。

マスクの品薄については丁度1週間前に当欄でもビックカメラの様子を書いたばかりだが更に深刻化している模様。こうなると涌いてくるのがやはり転売ヤーの存在で、ネット上では足元を見てフリマアプリ等で定価の5倍から酷いモノでは10倍以上の値が付けられ大量に出品されている。

彼らも在庫解消の暁にはヤフオク等で投げ売りするハメになるリスクを取っている分勝負を賭けているのだろうが、まるで約10年前の新型インフルエンザの時を彷彿させる。この手には転売行為への規制が及ばないとはいえ、これから花粉症が本格化する季節に入るだけにこうした行為に対してはプラットフォーマー側も何らかの対策が求められて然るべきか。


節分変遷

さて本日は節分、近年では関東の方でもこの日に「恵方巻」を購入する向きも増えてきたようにも感じるが、恵方巻といえば大量発注の弊害による余剰商品廃棄問題から食品ロスのイメージが強い。斯様な事で今年はネット予約販売強化で廃棄ロス削減を目指す動きもみられたが昨日一昨日も閉店間際に半額以下になった恵方巻が大量に売れ残っているなど依然として余剰感は否めない。

ところで恵方巻はさておき節分といえばやはり「鬼は外、福は内」の豆撒き行事だが、近年ではこんな伝統行事も誤嚥の危険性があるとか、はては子どものイジメ助長に繋がる等の世論で次第にやり辛くなってきているという。やり辛いといえばこれ以外にも騒音と見なす苦情で除夜の鐘や盆踊りまで最近はやり辛くなるなどなんとも世知辛い世の中になってきた。

そんな動きの一方で昨今では本日の日経紙・春秋や、先週末の日経夕刊・明日への話題等に見られるように豆撒きで追い立てられる鬼を擁護?するようなコラムも良く見られるようになってきた。児童本でも鬼が別な視点から描かれている「おにたのぼうし」が教育現場で取り上げられるなどこの辺もまた新しい潮流といえようか。


映画とかTOBとか

さて、「前田建設ファンタジー営業部」が月末に全国の劇場での映画公開を控え予告動画などもTVでは頻繁に目にするようになったが、こんな娯楽映画とは裏腹に当の前田建設工業が持ち株比率で約25%を保有する道路舗装大手の前田道路に対してのTOB実施に前田道路側が反対表明と穏やかでない。

一見親子喧嘩にも見えなくもないが、大塚家具の親子喧嘩等とは毛色が違ってこちらは同じ前田の名が付き資本関係があるも元は他人同士で独立を保ってきた経緯がある。それは兎も角もこれまで日本企業ではタブー視されてきた大手企業間の敵対的TOBも、つい最近のニューフレアテクノロジー社を巡る東芝とHOYAによるTOB合戦などに見られるようにごく普通の光景に変りつつある。

今回のケースは上記のHOYAとは若干違って両社株を其々保有するアクティビストの存在が大きいところ。アクティビスト間でもどういったシナリオでイグジットを成功させるか腹の探り合いというところだが、コーポレートガバナンスへの意識の高まりを背景にこうした株主圧力がかかる案件は今後も増加するのは想像に難くない。

いずれにせよ目先は直近で触れた旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンズによる東芝機械へのTOBと、この前田建設工業による前田道路へのTOBがそれぞれどういった決着となるのかその辺の動向には注目しておきたい。


ごはんと植物肉のマック

昨日マクドナルドは午後5時から閉店までのディナー時間帯に販売する「夜マック」の新商品として、人気メニューをご飯のバンズでサンドした「ごはんバーガー」なる商品を来月から販売する事を発表しているが、同じマックでもカナダでは昨年末に28店舗で植物肉をパティに使ったハンバーガーを試験販売した旨を先週の日経紙連載で書いてあった。

マクドナルドといえば同紙にも書いてあったように肉食文化の象徴の一つであったが、嗜好の変化は植物肉を主に提供しているビヨンドミートが同社以外にもドーナツのダンキン運営会社と提携を結び、最近では中国本土でも製品を販売し始めるなど世界中の外食チェーンやスーパーに製品が供給され如実に表れている。

代替肉ベンチャーの同社は株式市場でも人気を沸騰させているが、シリコンバレーに本拠を置くスタートアップ企業のインポッシブル・フーズも双璧の存在で同社もまた中国市場を魅力あるマーケットとして狙いを定めている。日経紙には「マックから肉が消える日」と題してあったが今後ますますこのタイトルが現実味を帯びてこようか。


魅せる割高感

さて、先週は米電気自動車メーカーのテスラが市場予想に反した黒字発表以来株価上昇が加速、年初から約4割上昇して上場来高値を更新しその時価総額が1,000億ドルを超えて独のフォルクスワーゲンを抜いて自動車メーカーではトヨタ自動車に次ぐ2位に躍り出たのが関係者の話題になっていた。

テスラといえば一昨年だったか空売り勢が挙って同社株に攻勢を仕掛けたところへMBO計画の大風呂敷を広げたのが記憶に新しいが、結局このMBO劇は幻に終わったものの当時買い付けるとした金額が1株あたり420ドル、それが冒頭のフォルクスワーゲン超となった先週22日の終値が569ドルだから当時踏まされた売り方もヤレヤレといったところか。

とはいえ通期黒字化も未達な上に20年度の市場予測ベースでの予想PERは77倍台と、独フォルクスワーゲンの6倍台やゼネラルモーターズの5倍台にフォード・モーターズの7倍台、更には我らがトヨタ自動車の9倍台と比較しても割高感は否めず依然として同社株のカラ売り人気も根強い。

先週の日経産業紙でも「グーグルとテスラ、大義の有無」と題し、学生達の人気を二分しているグーグルとテスラという両極端な企業は何が魅力なのかという点についてスイスのビジネススクール教授の視察談が書いていたが、先ずは今週の19年10〜12月期の決算発表が注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

9

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30