152ページ目   雑記

利害の一致?

さて、新政権の目玉政策の一つとして菅首相が携帯通信料金の引き下げを強く表明した事から通信各社の株価は軒並み軟調展開を強いられ、その一つNTTドコモは年初来安値に沈む憂き目に遭っていたが先週は一転して急騰し今度は年初来高値を更新していた。言わずもがなこの背景にはNTTが子会社の同社をTOBにより完全子会社にすると発表した事がある。

実に親元?から独立してから約30年ぶりに出戻りという事となるがその会見でNTT社長は料金値下げをやる為にTOBするのではないと直接的なリンクを否定してはいるものの、冒頭の通り菅新政権が携帯料金の引き下げ意向を強く表明した矢先だっただけに政府側とNTTの利害一致が成せた業ではないかとの一部報も出ていた。

今や家に固定電話など置かない向きが殆どで世の携帯傾斜への流れから両者間には下剋上の構図もあった事で其れなりの確執?もあっただろうが、国が34%を保有する筆頭株主という構図と併せあながち噂で片付けられないか。何れにせよ今回の再編によって新たな成長戦略を描いてゆく事が出来るのか否かの試金石となろうか。


コロナブレーキ

今週は国土交通省が2020年の基準地価を一昨日に発表していたが、周知の通り今回の基準地価は新型コロナウイルスの影響が反映された初めての大規模な地価調査となった。果たしてというか住宅地や商業地など全用途の全国平均は3年ぶりに0.6%の下落とマイナスに転じる事となり、市況への警戒感から翌日の株式市場で不動産セクターは軟調展開となっていた。

特に都心の商業地はコロナ禍によるインバウンド商売の直撃を背景に、下落率の上位二つは前年に比べ5%以上のマイナスとなった銀座がランクイン、同じく5%のマイナスとなったのが感染拡大の最中所謂「夜の街」と名指しされた新宿の歌舞伎町でこれに続く3位、また辛うじて上昇した浅草もその幅は大きく減少しランキング上位からその姿を消した。

当欄で春先に年初段階の公示地価を取り上げた際にいち早く影響を織り込み始めたREITの急落も取り上げ全般の自律反発後に個別で跛行色の展開となっているが、地価もコロナ禍におけるネット通販の好調を背景にした物流施設のニーズの高さを映し、こうした厳しい状況下において一方で11%超の値上がりをしている所もあるなど株式市場よろしくこちらでもコロナ禍が優勝劣敗の構図を創造している。


基本的株主権利

さて、先週末の日経紙は三井住友信託銀行とみずほ信託銀行が東芝の株主総会を巡りその事務処理が適切でなかった事で、シンガポールの一部海外ファンドの意見が反映されない事態が起きていた件に端を発した議決権の誤集計が国内の上場企業の実に3割強にあたる計1346社にものぼると発表した旨の記事が一面を飾っていた。

この一件、当該ファンド分を含む無効扱いとなった行使書は議決権ベースで1.3%という事など含め7月までに開催された総会において決議に影響した事例は見つかっていないとしているものの、コーポレートガバナンス導入を背景に近年ではアクティビストの質も存在もその影響が大きくなり賛否が僅差で分かれるケースも増えてきているだけに看過出来ない一件だろう。

最も基本的な株主の権利を損ないかねない斯様な不適切処理は20年間続いてきたというが、こんな慣習が続けられたのもいまだ旧態依然の郵送形式が主流という背景があるのも主因で、旧態依然といえば他にも株主総会が集中してしまうというこれまた欧米に比べて特異な形態という背景もあるか。

現に電子的議決権行使は欧米などでは9割以上になっているのに対し、本邦ではそれが10%台にとどまっているなどこういったところこそデジタル化が焦眉の急ではないか。また今回は扱う側が謝罪に追い込まれた格好だが、大株主の一部は委託側である企業のガバナンスにこそ問題があるとその姿勢に疑問を呈する意見もあり各所で応分の説明責任が問われる事になるか。


HYIPの甘い罠

さて、先週話題になったニュースの中に磁気ネックレスなどの預託商法を展開し高齢者ら延べ約1万人から計約2100億円を違法に集めたジャパンライフの旧経営陣らが今更ながら詐欺容疑で逮捕された件があったが、同社といえば「桜を見る会」に絡みいろいろと物議を醸し出しその名を知った向きも多いか。

この辺は世代でもまた違うと思うが、磁気商品よりも同社の売り上げがピークを記録した今のミドル世代が学生だった頃は健康布団を主力としたマルチ商法が全盛であった。同時期には豊田商事事件も世間を賑せていたのも記憶に新しいが、思えばこの時期はバブルの走りの頃で世の中がギラギラしていたのも鮮明に思い出される。

販売預託商法の類では当欄でも過去安愚楽牧場など取り上げた事があったが、他にケフィアやMRIも然りでHYIPの甘い匂いに吸い寄せられネットワークビジネスと共にこれらは何時の時代でも廃れることが無い。冒頭のジャパンライフもそうだったが、著名人の利用や怪しさのハードルを取り払う程度の長期運営を続けている等々の部分もあるだけに幅広い層の金融リテラシーの一層の向上が急務の課題だろうか。


世紀の破談?

さて、先の日曜日には米エヌビディアが英半導体設計アームを最大400億ドルで買収する事が明らかになったが大型買収といえばもう一つ、当欄でも昨年末に取り上げていた仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンによる米宝飾大手ティファニーの買収が撤回されたとの件も巷で話題になっていた。

その背景として米政府がフランス製品に関税を課す方針を示した事を受けた仏外相から買収合意の履行先送りを要請され断念せざるを得なかったとの事だが、新型コロナウイルスが猛威を振う直前の最悪なタイミングでの基本合意だっただけに果たしてのコロナ禍で販売が急落するなか斯様な好材料?は千載一遇の撤回チャンスだったのは想像に難くないか。

この縁談で資金力や販促力の強化を目論んでいたティファニー側は当然の如く猛反発の様相を呈しているが、コロナのパンデミックが高級品業界に如何ほどの影響力を及ぼしているかが露呈されたケースといえよう。とはいえ高級品業界の一角はそれとしてもマクロではこれまで停滞していたM&Aは急速に復調しているという。

この辺は一昨日の日経紙夕刊でも調査会社ディールロジックが出したところによる7〜8月の世界のM&A総額が2ヵ月連続で前年実績を上回った旨が出ていたが、先に当欄でも書いたコロナ禍で世界の上場企業の稼ぎ頭が激変しドラスティックな下剋上が起きている状況下において斯様な手段で成長を見出す流れは今後も続こうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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