154ページ目   雑記

史上初大型連休

さて、いよいよゴールデンウイークが目前に迫ったが、今年の場合は皇位継承の都合もあって10連休と過去に例を見ない事例となる。世の働き方改革の掛け声もむなしく実際には休日取得が難しいサラリーマン諸氏には有休を取る必要の無いこの連休は感覚的に嬉しく錯覚する向きもいるかもしれない。

ところで一方では、一昨日の日経紙にて「証券会社とお取引のある皆様にお知らせです」と題し10連休中の休業についての告知が全五段で出ていた通り、株式市場も初の長期休場となり一部先物で商い機会は提供されるものの為替など他のマーケットと併せこの初の長期休場はいろいろな意味で試金石となろうか。

各経済シンクタンクではその経済効果を試算しており、その各所での消費効果でGDPを0.1%ほど押し上げる効果があるとの試算も一部に出ており既にこれを囃してOLCやANA、HISからJR東海まで株価はそんなテーマ物色で堅調推移してきたが、サマーバケーション前にガッツリ消費を刈り取る構図は需要の先食いをしている部分も無いワケではない。

また上記の相場モノも連休明けにはその間の重要イベントやらが織り込まれ一気に反映されるケースもあるかどうかだろうが、各機関の事務方もこの超大型連休明けに滞っていた皺寄せが一気に襲い掛かる構図も想定される。またぞろ働き方改革と逆行云々の論議も出そうだが兎も角それぞれの未体験ゾーンに突入である。


時代と対面需要

本日の日経紙・真相深層には「中小証券「対面販売」に限界」と題し、旧来型の営業攻勢一辺倒で次々と商品を買ってもらうようなビジネスモデルに依存してきた準大手・中堅証券会社が、デジタル化の波に乗り遅れた結果として業績悪化が止まらずなかなか先行きが厳しい旨が出ていた。

旧来型の営業攻勢といえば当欄では今年の1月に「慣行の呪縛」と題して、株式の手数料稼ぎで某中堅証券による顧客への回転売買が問題視され証券取引等監視委員会の立ち入り検査強化の旨を書いていたが、その対面のスタイルも少子高齢化の波と併せ需要とのマッチングで歪が出ていた感は否めない。

上記の件を鑑み岩井コスモ証券など金融商品の乗り換えに関わる営業では報奨金を得られなくするなど対面営業の過剰営業防止策とも言える措置を講じているが、おもえば笛吹で場立が殺気立つ光景が消えたあとはアローヘッドが稼働する無機質な光景に変り、兜町も東証から続く中小証券が犇めき合っていたその街並みもガラリと変わり果てたものだ。


日本最大の株主へ

さて、株式市場で日銀の存在感が一段と大きくなり、日経新聞の推計では2020年末にもGPIF(年金積立管理運用独立行政法人)を上回って日本最大の株主となる見通しの旨が書かれていた。個別でも大株主基準では3月末時点で上場企業の49.7%と半数で浮上し、23社で筆頭株主になった模様だ。

この辺に絡んでは昨年の11月頃に、大規模な金融緩和策とポジティブな運用姿勢の結果としてこの日銀とGPIFとの両者で多くの大企業の大株主に名を連ねる構図が起きていると書いた覚えがあるが、持ち合い解消機運の一方でこうした構図は特に外人勢には奇異な光景に映らないとも限らないだろうか。

冒頭の記事が出た翌日の同紙経済教室・金融政策正常化への難路でも中央大学の教授がこの出口の議論に言及していたが、末尾には今年2月に当欄で「〜日銀勘定から別の機関などに移管・分離させイグジットを探るというさながらバブル時代に証券会社で大流行した所謂飛ばしのようなスキームも〜」と書いた件と同様な見解も書かれていた。

果たして日銀が日本最大の株主となった暁には改めてまたこうした議論が喧しくなろうが、同紙でも末尾にて述べていたように、いずれにせよ購入見直し等も含めて出口に関する何らかの指針を示す時期に差し掛かっているのは間違いないところであろうか。


ダイバーシティ

さて、世界ではここ最近のニュースでまたぞろ人種差別に絡んだ問題提議が為されるものがポツポツ目立つ。先週はニュージーランドのバーガーキングが新発売のハンバーガーを箸で食べる様の広告が問題視され、イギリスの王室御用達スーパーのウエイトローズではアヒル型の3色チョコでブラックの物に醜いと文言を添えていた件が物議を醸し出していた。

箸で異国の食べ物を食べさせて揶揄するような表現と捉えられて炎上したといえば、やはり最近では昨年末のドルチェ&ガッバーナの箸でピッツァやパスタをアジア人に食べさせる広告動画が引き金となりわずか数時間で中国のマーケットを失う危機に直面した件が記憶に新しい。

冒頭の企業は早速インスタから動画を削除したり文言を変更したりとこの辺の対応はこれまで他の企業がやらかしてしまった時と同様に迅速であったが、昨日も当欄で企業のコンプライアンス問題に振れたように文化やダイバーシティについての解釈や対策等は数年前とは様変わりの昨今であると改めて思う。


紙幣刷新

さて新元号「令和」の発表も束の間、周知の通り先週には財務省から日本銀行券を2024年度上半期に1万円札の渋沢栄一氏はじめとして一新するとの発表が為されている。加えて21年度上期をメドに500円硬貨も刷新するとの事だが、2004年以来のことで実に20年ぶりの刷新となる。

紙幣といえばこれまで彼方此方海外を周ってそのオモチャのような紙幣を見るにつけ日本の精巧な技術に改めて感心して来たものだが、新紙幣には世界初となる偽造防止技術が採用されるとのこと。また株式市場でも逸早くこれに反応し紙幣識別機製造の日本金銭機械や現金処理大手グローリーがストップ高まで買われ年初来高値を更新、一万円札の渋沢栄一氏を囃し澁澤倉庫にまで買いが入る始末であった。

しかし政府はキャッシュレス化を推進している最中でもありその辺が若干の矛盾感も否めないところだがそうした意味合いも含めこれが最後の図柄になる可能性もないわけではない。いずれにしても新元号の発表があってからわずか1週間たらずのタイミングでの発表が為された事で「平成」から次期「令和」への改元機運にますます弾みが付くというものだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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