17ページ目   雑記

脱・脱炭素の波

依然として世界のマーケットを混乱させている米トランプ大統領だが、つい昨日には米国内で石炭の生産と消費の拡大を目的とした4つの大統領令に署名している。相変わらず世界が進めている脱炭素の取り組みに逆行する動きだが、この脱炭素に絡んでは米国のみならずこのところ国内でも金融機関がこれに歩調を合わせて脱退が目立っている。

直近では先週末に「みずほフィナンシャルグループ」が金融機関で作る脱炭素を目指す国際的な枠組みであるNZBA、「ネットゼロ・バンキング・アライアンス」からの脱退を決めているが、みずほFGはむしろ後発組でこれより先に先月には先陣を切って「三井住友フィナンシャルグループ」がこれを脱退、その後に「野村ホールディングス」が続きその後立て続けに「三菱UFJフィナンシャルグループ」が脱退を決定している。

米ではいわずもがな脱炭素に消極的なトランプ政権下で脱炭素を巡る業界横断的な活動への訴訟など法的リスクが浮上している事から、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど大手どころが挙って離脱表明しているが、米国で事業を展開する上記金融機関にとっても重要なリスクとなることでこうした波が邦銀勢にも波及してきているという構図だ。

とはいえ石油採掘ひとつ取っても採掘に要するエネルギーと採掘した石油エネルギーの比率、つまり掘削効率を示す指標はかつて200だったものが最近では20分の1程度にまで低下しているという指摘もあり、この厳しい現状も鑑みるにやはり脱炭素は時代の流れとして不可逆的なものと考えるべきだろう。反DEIよろしく歩調を合わせざるを得ない企業の苦悩も見え隠れするが、社会課題としてこれを見据えた投資支援など継続してもらいたいもの。


米国離れ

「山高ければ谷深し」、その逆もまた然りということで本日の日経平均は昨日の続急落から一転して1876円高と急反発。昨年8月の「令和のブラックマンデー」とは背景が異なり今回は容易に戻らないとの指摘も多かったが、超短期のスパンで見れば毎度動きは同じである。長期投資の向きはコストが下げられるチャンスで、いわずもがな腕に覚えのある果敢に攻める短期組はここ2日で売り買い往復回転出来た向きも多かっただろう。

自由貿易システムをいとも簡単にリセットし米株式市場の時価総額は直近まで軽く1000兆円以上が吹き飛んでいるが、トランプ氏が大統領選を制し所謂トランプトレードで活況だった株式市場は見る影もない。こんな株式市場の惨状を見るにつけこの度の関税政策でこれまでの米国例外主義がピークを過ぎたのではないかという見方も出ていることで、投資家などは米国以外の地域に目を向け資金を分散させる動きも出て来ている。

この度の具体的な関税政策の前にはNATOへの懐疑的な姿勢を鮮明にしていたことなども背景に、欧州一の経済大国であるドイツも先月には歴史的な財政政策の転換を図り同国のDAX指数は最高値を更新、ユーロドルもここ1.1を超える場面が見られる。上記を鑑みてこうした分散という意味合いでは、本邦も中国の愚策であった海産物輸入禁止の時と同様に米国向けに突出している品目など他国と連携を図りつつ分散を図る好機でもあるという見方も一考か。


鎖国の始まり? 

さて米トランプ大統領が相互関税を発表、早速中国が報復関税を発表するなど貿易戦争や景気後退への懸念が改めて台頭したことで世界中のマーケットがパニックになっている。WSJは米市場が3日、4日の2日間だけで約6兆6000億ドル、日本円で約970兆円分の株式時価総額が吹き飛んだと報じ、本日の日経平均も225採用銘柄が寄るまで約30分もかかり引けは2644円安と続急落の憂き目に。これは昨年8月の暴落時と87年のブラックマンデーに次ぐ過去3番目の下落幅ということになる。

上記の昨年8月5日も月曜日であったが、本日も月曜日ということでまた「令和のブラックマンデー」になってしまったが、昨年8月以来のサーキットブレーカーが発動、となればカオスな中でも先物オプション市場は別格に熱い。当限の30000円プットは週初の寄りが7円だったものが今日は前場早々に850円と実に121倍にも暴騰、そこから更に5千円も離れたディープアウトの25000円モノも同じく週初の2円が前場に120円とこちらは60倍に大化けしている。

一方で先週末にはインザマネーだった当限の33750円コールは今日の前場にはプレミアムが10分1 に暴落と明暗を分けた。個別でもディフェンシブ色の強かったIPモノの任天堂も続急落していたが同社は「スイッチ2」の米での予約開始を延期に、またアップルもiphoneを価格転嫁した場合は米で最大43%の値上げの可能性を指摘、製品の多くが中国製造で米への輸出時に関税が発生する事で日本での価格もまた値上がりの可能性がある。

しかしトランプ氏といえばタフなビジネスマンとの評判だが、過去には事業経営で何度も破産申請をした経緯がある。そんな人物が最高権力者の座に就き大統領令をもって戦後の経済発展を支えた自由貿易システムをブラフではなくリアルにリセットしてしまう狂気な経済政策が本当に国にいいと信じている。いずれにせよ本邦がこれまでどれだけ米国への投資で貢献してきたかと考えるとなんともやり切れない思いだが、ここから日本政府の外交手腕がまさに問われる時か。


同盟国も一括り

今週の日経平均は週明けから1,500円超の急落と今年最大の下げ幅を記録し、本日も年初来安値を更新と冴えない展開となっている。言わずもがな関税不況リスクを背景にしたものだが、周知のようにトランプ大統領は3日から米国が輸入する全ての自動車に25%の追加関税を課すと表明している。現在日本から米への最大の輸出品はこの自動車、実に昨年実績で輸出台数約37万台、輸出額の6兆円超がもろに打撃を受ける。

これを受け首位のトヨタやマツダなど自動車株が改めて売り直され大幅安となっていたが、米自動車メーカーでも49.6%を輸入が占めているGM株も利益ゼロ予想から大幅安となり輸入比率が20.3%とGMの半分以下のフォード株まで売られる始末であった。加えてWSJが報じたところではトランプ大統領は米自動車大手CEOらに関税を理由に価格を引き上げぬよう警告したとかでやりたい放題。本来、国内産業を保護するための関税も米自動車業界に打撃と皮肉なものになるか。

ところで価格引き上げといえば早くも対応を発表したのが伊フェラーリ。米で販売する一部車種を値上げし人気モデルは750万円ほど上乗せされるというが、フェラーリを購入する顧客は裕福でこの程度の値上げは容易に受け入れるだろうとしている。まあ言われてみれば確かにそうだろうが、それは兎も角も日本政府の関税上乗せ除外要請もけんもほろろで米政府高官など日本を名指し批判する始末で日本の各大臣が入れ代わり立ち代わり訪米し媚びを売っていた姿も滑稽に見えてくる。

自動車産業は裾野が広く部品メーカーなどの関連事業では6万社超え、就業人数も約560万人近くにのぼるだけに影響は計り知れない。自動車のみならず鉄鋼など幅広い製造業にも影響が出て、一部試算ではこれにより最大で13兆円の経済価値が打撃を受ける可能性があり来年度のGDPも0.3%押し下げ要因になるとみている。大統領令で同盟国との関係でさえ犠牲にする姿勢が鮮明だが、さて明日のXデーに予定通りこれらが発動されるのかどうか先ずは注目だ。


今年最大のラッシュ

4月とは思えぬほど冷たい雨が降る中で新年度を迎えることになったが、この新年度から暮らしや企業活動に関わる制度がいろいろと変わると共に依然として食品値上げラッシュの方も続き、恒例の帝国データバンクによる主な食品メーカーにおける今月の飲食料品値上げは4225品目に上る。値上げのピークだった一昨年の10月以来、1年半ぶりの高水準となり今年最大の値上げとなる。

食品別では品目最多が「調味料」で2000品目を超えた「調味料」だが、次いで品目が多いのは値上げの波が押し寄せて来たビールなどのアルコール飲料、大手ビール4社は一斉に缶ビールや酎ハイなどそれぞれ200品目以上を3%~12%値上げする。また止まらない米の価格高騰を受けテーブルマークなどは先月の値上げに続いて今月も最大で約36%値上げする。

他、ティッシュやトイレットペーパーなど日用品も値上げされるが、政府の補助が無くなるなか4月使用分の大手電気や大手ガス料金も値上がりする。今年の値上げ傾向は人件費や物流費といった粘着性の高い値上げ要因が押し上げるとしているが、今の構図はやむなく値上げするコストプッシュ型インフレというがディマンドプル型へ移行するのはいつの日か引き続きこの辺の動向には注視しておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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