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自社株買いの継続性

本日の日経平均はイタリアの政局混乱などから南欧諸国の信用リスクに対する懸念が再燃した事を嫌気した欧州株安や、その流れを受けた米株式の大幅続落を受け大幅続落となった。そんな中で主力の一部のなかでも地合いに左右されず底堅い動きをしていたのがNTTやKDDIであったが、これらに共通するのは自社株買い銘柄という点。

自社株買いといえば今年は初めてそれに踏み切る企業も多く目にするようになってきた感があるが、上記の通信二社は毎年取得の常連組でこうした悪地合いに左右されないのもその辺が評価されている面もあるか。この継続性では野村証券によると10年以降に初めて自社株買い発表をした296社のうち、2度目の実施率が4割、3度目では約2割まで下がっている旨が過日の日経紙で見掛けた。

事実これまで取得枠設定の発表をしても実際は申し訳程度しか買わずに終了というケースも多く酷いモノでは買わないまま終了するケースもあった。今年は2月からの株安等も相俟って2割程度実施額が増加するとの見方もあるが、配当と共にROEの向上など株主還元強化手段としてその継続性も今後注目される事になろうか。


100周年後のこれから

さて、先の日曜日の日経紙・TheSTYLEでは3月下旬にスイスで開かれた世界最大級の時計見本市である「バーゼルワールド」が記事の冒頭で挙げられ、若年層はスマホの普及で高度な性能に興味は無くなってきたかわりにライフスタイルや服装に合うかどうかなど時計に求めるものがカジュアル化してきている旨が書いてあった。

ところでこの「バーゼルワールド」といえば、今年の出店企業数が約650と昨年の1,300からほぼ半減し、その開催期間も6日間と2日間短くなった旨の報道も前に見掛けた。ちなみにその前の一昨年の出店企業は1,500で、ここ数年のピークであった2011年の2,000からははや三分の一になった計算である。

本邦からもブランドイメージを浸透させる必要性からセイコーなどグランドセイコーの独立ブーズ設置の試みを見せているが、出展企業が減少してきたその背景には高額な出展料で費用対効果を疑問視する声が上がっている事や、双璧ともいえるもう一つの見本市であるジュネーブサロンの存在も大きいとの指摘もある。

一部ではこのジュネーブサロンと会期の接近を図りたいとの報も出ているが、冒頭のような新たなターゲットとして訴求したい若年層はインスタなどで情報を得たり発信するのが主流になってきており、出展側もこの辺を鑑みた不参加の動きもあると思え見本市そのものもデジタル時代のあり方を考えるタイミングになってきたといえるだろうか。


大手事業方針

本日の日経平均はトランプ大統領が来月予定される米朝首脳会談を見送る可能性に言及、地政学リスクが高まった事から大幅続落となった。そんな中で値上がり上位に顔を出していたのはアイフリークの大幅続伸をはじめとし、DLE、モバファク、アイル等々の仮想通貨関連銘柄の逆行高が目立っていた。

仮想通貨といえば昨日の日経紙金融経済面には「世界の大手も仮想通貨」と題し、米金融大手ゴールドマンサックスがビットコイン関連のトレーディング業務を始める方針や、米取引所大手ナスダックも仮想通貨取引所開設を検討するなど仮想通貨関連事業を拡大してゆく旨の記事もあった。

国内でも仮想通貨の取引金額が昨年は16年から約20倍の規模に膨張するなどその根強い需要や、逆風と見られた各国の規制強化の流れもそれに伴う不正取引の減少期待を背景にして日米共に大手が粛々と拡大の波に乗ってきているが、こうした動きによって日進月歩の技術革新と併せマーケットも成熟に向けての歩みとなってゆくかどうかが注目される。


金密輸ループ

さて、米の金利上昇傾向で先週は相場が1,300ドル割れとなるなど金相場が調整傾向を強めているが、金といえば先週末の日経紙に「金密輸団、32億円荒稼ぎ」と題し韓国から福岡に金塊を密輸したとして韓国人グループを摘発した事件では国内に密輸され売却された金塊が約400億円相当に上り、その抜いた消費税分の金額約32億円が密輸グループの手に渡った旨が報じられていた。

昨年の当欄で金密輸の成功率95%を前提にすれば100億円超が国庫から奪われている計算と書いた事があったが、同紙では今月成田でも香港から金10キロを密輸しようとした男女が逮捕された件も載っており昨年は約48億円相当の金塊を国内で売却し約3億9千万円を得る事に成功しているといい、上記の件と合わせなるほど日本が密輸の主戦場たる位置付けをされているのも頷ける。

一昨年だったか貿易統計で金の正規輸入量2トンに対して輸出量が161トンと約80倍に達している量から取りこぼしも相当なものだが、一連の金密輸はイグジットとして金は再び香港等に輸出されそれがまた日本に密輸されるケースが多く、このループにおける売却時と輸出時の過程でそれぞれ消費税分が確実に食われている計算となる。

斯様に抜ける鞘の大きさに加えてもう一つの旨み?は仮に摘発されたとしても消費税罰金相当の納付で金塊は返却されるというユルさか。冒頭のグループは韓国人であったが、その韓国では金塊は没収で罰金は最大で約1億円罰金が科されるという。森友文書書き換えからセクハラまで失態オンパレードで忙しそうな財務省だが関税法の罰金上限引上げ等の検討含めその対策が急がれるところか。


ウイスキー熱彼是

さて、昨日の日経紙・真相深層には「ウイスキー熱 原酒が不足」と題して、サントリーが国産ウイスキーの「白洲12年」と「響17年」を販売休止にする旨が載っていた。共に根強いファンが居る人気の商品だが、ウイスキーの販売休止といえば2016年の角瓶・黒43度以来の事という。

昨年英国で開かれた種類の世界的な品評会で「響21年」が最高賞に輝くなど世界的評価の高まりから内外での需要が急拡大、国内のウイスキー熱については2年ほど前に朝ドラのマッサン効果の後押しもあって品薄になっている旨を当欄でも書いたが、その市場は10年前の2倍に拡大し原酒を作った10年以上前の想定を超えての需要拡大やその熟成期間等から販売を続けるのが難しくなったという。

こうなると気になるのが無い物強請りで付けられる値段だが、この報道後に一寸ネットで覗いてみたら果たしてというかでその価格は同紙に書かれていた冒頭2品の希望小売価格の8倍以上にも跳ね上がっているところもあった。ウイスキー熱といえばもう一つ思い出したのが4年ほど前に設定された世界初のウイスキー・インベストメント・ファンドか。

前回これに触れた2年前には設定1年で30%を超える評価益を上げていたが、コレクションの小売価格は既に投じた資金の倍以上に化けるなど予想を上回る成果を挙げ今後は徐々に規模縮小し清算に向かう模様とか。指標の「レア・ウイスキー・エイペックス1,000」指数など昨年上期でゴールドやワインを凌ぐ運用成績をあげており、冒頭の件も背景にこうしたオルタナティブ投資熱もまた盛んになりそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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