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夏休み課題の二元論

短い夏休みも終わり昨日から二学期が始まった学校が殆どだったと思うが、日本の夏休みの風物詩でもあるのが欧米人からは奇異に視られている課題やら自由研究。これらについて最近文部科学省はインターネットでフリマやオークションサイトを運営する主要3社と学校に提出するこれらの代行作品等の出品を禁止する事で合意したと先日発表している。

この手の代行作品や代行業なるビジネスは既に数年前から大繁盛している旨が朝のTV番組等で度々放映されてきたが、文科省も課題を購入する児童や保護者の存在も問題としながら、さすがにこれら業者が法規制の曖昧な中横行する現状を看過出来ずに重い腰を上げたといったところか。

ところで冒頭で「欧米人からは奇異に視られている」と書いたが、そもそもが何の為の休みかといったところで理解不能らしい。成る程もっともな意見で、この問題を切っ掛けに課題不要論も漸く議論に上がるようになったが、そもそも課題の位置付け自体が学校教育のなかで義務なのか否か非常に曖昧な部分が存在する事も論点を複雑にしている感じもするが、今後具現化してくるのかどうか非常に興味深いところ。


ワールドウォッチフェア2018

さて、毎年この時期になると取り上げる「ワールドウォッチフェア」、21回目となる今年も今週月曜日まで開催されていた。今年のテーマは「時の伝道」、今年も65の名門時計ブランドが一堂に会し、企業に依存せず自らのアイデアや技術で時計を一つ一つ手作りする独立時計師による来日トークショーなども行われていた。

昨年はクリスチャン・ヴァン・クラウのアンモライトを施した世界限定1点のリアル・ムーンステラネピュラなど素材と技術に見惚れたものだが、世界限定1点といえば毎年1億円を超える値札が付けられているバックス&ストラウス、一昨年観たピカデリーエメラルドグリーンに続き今年はエンプレスローズがフランクミュラーのブースに鎮座していた。

これら「観賞」用のもの以外でも、バーゼルワールド等で発表された各社新作の逸品がいち早く一堂に会して同会場で並ぶというマニアでもなかなか実現不可能なものが一般でも体験出来る点が同フェアの魅力。インバウンドの爆買い一巡感で心なしか以前のような品性も戻って来たような感もあった今年のワールドウォッチフェアであった。


優勝劣敗のHFT

さて、昨日の日経紙には「ロシア系新興勢 高速取引を席巻」と題し、ロシア人が創業した新興の自己資金での運用を行う高速取引業者であるXTXマーケッツによる東証での売買が一日あたり数千億円の売買を手掛けることもあり、東証の売買全体に占める比率が1割を超えている可能性も高い旨が書かれていた。

同社は為替取引量でも昨年はJPモルガン・チェースやUBSに次いで世界第3位になったようだが、この業者以外では欧州最大手の取引量を誇るオランダを拠点とするフロートレーダーズ社が先月に仮想通貨業界に参入する意向を示すなど攻勢をかける一方で、KCGHDが米バーチュ・フィナンシャルに買収されるなど業界は新陳代謝が激しい。

現状日本株市場では外国人投資家と超高速取引業者が主力のプレーヤーとなっているが、かれこれ数年前から議論されている通り超高速取引はリクイディティー提供に重要な役割を担っている一方で、それが瞬時に枯渇し混乱を招くリスクも孕むほか一般との機会不平等もいまだ課題、業界再編と併せ引き続きこの辺は注視しておきたい。


都市鉱山と技術力

本日の日経産業紙の素材の現場力の頁には、五輪組織委員会が展開する2020年の東京五輪・パラリンピックのメダルをリサイクル原料を使って作るという「都市鉱山から作る!みんなのメダルプロジェクト」で、回収されてきた都市鉱山からこの五輪向けに金を全量供給する大役を担ったTANAKAホールディングス傘下の田中貴金属湘南工場が取り上げられていた。

田中貴金属工業は上場こそしていないものの同社の技術力は定評があり、約7年前には同業態の上場企業と資本業務提携なども行っているが、こうした事などから今回の大役を任された背景があるか。何れにしても国内での金産出は菱刈鉱山ぐらいしかなく都市鉱山からリサイクルすると必要性は高い。

ところでこのメダルプロジェクト、携帯電話などの小型電子機器の改修開始から1年が経過した段階でいずれの金属も現状不足している旨を5月の当欄で取り上げたが、直近ではこれまでの回収で金と銅メダルに必要な量はメドがついたものの銀の確保が出来ていない状況という。来月からホストタウンになる全国230の自治体に協力を求めるらしいが今後の進捗状況が注目される。


幻のMBO

さて、昨日の日経紙には「マスク氏、誤算の17日間」と題して、先週末に米テスラがこれまでツイッター等で明かして来た1株あたり420ドルで買い付けるという株式非公開化の計画を撤回すると発表した旨が出ていた。SECの調査入り等で暗雲が漂っていたとはいえ、世界的な金利低下の下でのカネ余りの昨今だけにいかにもありそうな話だったが果たしてという感じか。

結局このドタバタ劇ではポジション維持に耐えきれなかったカラ売り筋の一掃が叶った程度であったが、ともあれ実現すれば約8兆円規模と世界のMBOとしては最大規模の案件は幻に終わった格好。資本市場に背を向けようとした今回の一件が市場規律の緩みを助長しないか危惧されるところでもある。

ところで斯様にMBOを目論む向きあればMBOから再上場を目指す向きもある。国内ではアパレルのワールドが東証から再上場の承認を得て13年ぶりに再上場を目指す運びとなっているが、MBO時から業界を取り巻く環境は一変しているのは否めない。一頃は株式投資の世界でもその存在が有名になった同社、今回の再上場でその采配が悪環境の元で如何に振るわれるのか注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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