197ページ目   雑記

株高と富裕層消費

さて、本日の日経平均は第4次安倍内閣発足によるアベノミクス加速への期待感や、主力銘柄の上方修正から急反発し年初来高値を更新、21年4か月ぶりの高値水準となった。こんな株高を受けてかどうか最近は高級品を扱う一部で高額品がジワジワと売れ始めるような好影響も出て来ている模様。

例えば松屋銀座店では直近3ヶ月の高級時計の売上高が5割増で推移、また高島屋向かいの同店ウォッチメゾンでは先月の1~24日の売上高が前年同期の1.5倍となり、内訳も500万円以上の商品が昨年10月の4本に対して今年は24日までに5本売れ、その中にはリシャール・ミルの1,000万円超の商品も含まれている旨が一昨日の日経MJ紙で書かれていた。

宝飾品も米ティファニーの新展開シリーズの販売が好調な模様の一方で、この項の末尾には同じ宝飾大手のミキモトの場合売り上げに大きな影響はない旨も書かれていたが、とはいえ此処も9月から10月にかけて数千万クラスの1点モノの高級宝飾の新作公開イベントを開催、改装ではVIP向けの個室を設けるなど富裕層らを迎える準備に余念がない。

今の日経平均もアベノミクス再始動との思惑が背景にあっての株高第二幕を演じつつあるが、同様にかつてのアベノミクスのはしりで起きたような高額消費の盛り上がりの再来があるや否や小売業界としても各所で受け入れ態勢の準備を整える様はその期待値の高さを物語っている。


ヒルドイド神話

さて、本日の日経紙一面には「診療報酬マイナスに」と題して、厚生労働省と財務省は2018年度予算編成で医療行為や薬の対価としての医療機関が受け取る診療報酬をマイナスにする方針とし、今回は効果があるが価格が高すぎる医薬品を値下げする薬価制度の改革による減額にも踏み込む模様だ。

ところでこうした価格が高すぎる医薬品がある一方で安価な普及薬を保険適用で更に安く入手出来るのを悪用し、一部では美容クリーム代わりにこれを多用しているケースが話題になっている。保湿剤のヒルドイドがそれで私も何回か処方してもらった事があるが、確かに一部女子の間で実しやかにそんな話が喧伝されていたのを聞いた事がある。

元を辿れば一部女優・モデルが美容効果を謳ったとかで口コミの波が広がったという話だが、これまでも他目的での要処方箋薬で費用対効果が高いとされる薬は数多あった。とはいえこの美容目的の保湿剤利用を巡っては今月上旬に健保組合連合会が公表したレセプト分析調査研究で、実に年間93億円の薬剤費が無駄に支出されているというから看過出来ない。

斯様な状況に至りさすがに厚生労働省も保険適用外や一回の処方量制限の検討に入る模様だが、その線引きも難しく本来必要な患者からすれば甚だ迷惑な話だろう。美に対する飽くなき執念がこんな医療保険財政の圧迫要因になるまでに至っているとはとんだ弊害を生み出しているものだ。


ハロウィーンビジネス

さて、明日のハロウィーン本番を控え街の彼方此方ではイベントが盛り上がっている模様だが、今年は台風22号の影響で先週から屋外モノは受難、渋谷では降りしきる雨で寒そうな姿が其処彼処に見られ日本最大級ともいわれる川崎のハロウィーンパレードはこの影響で中止となってしまった。

ところで近年拡大するハロウィーンブームに乗って今年も各テーマパークも客層拡大を狙いホラー色を強化している模様。USJはそのリピーターの多さからレベルにより中学生以下禁のハロウィーンホラーナイトを展開し、ホラーとイメージが結びつかないピューロランドも小学生以下禁のゴーストピエロのホラーハウスを展開している。

確かに客層の観点から見れば、例えばこれから迎えるクリスマスやバレンタイン等は子どもやカップルがメインターゲットだが、ハロウィーンの場合は老若男女誰でも楽しめる事で子ども向けイメージの強かった上記のピューロランドなどにも大人向けアトラクションを展開出来る伸びしろが商機として浮上する。

事実こうした展開が数字に結びついて表れてきている模様だが、テーマパーク以外の部分でも特に商材を選ばないので様々な業種・業界がビジネスとして参入し易い素地を持っており、今後も各所の展開如何でその経済効果も益々の拡大が見込めようか。


ブランド米戦国時代

さて、新米が行き渡るこの時期になるとDMやネットでは頻繁にブランド米の案内が届き、百貨店のコメ売り場もあらゆる地域のブランド米が入れ代わり立ち代わり並び目移りさえする。それもそのはず昨日たまたま見かけたTVではコメの品種登録数は年々右肩上がりとなっており、直近では843種類にのぼるというのを見た。

これだけブランド米が増殖している背景には年々変化する天候条件に適応する必要性があったという事もあるが、本日の日経紙商品面で一人当たり米消費量が前年同期比3.1%減となり5カ月連続でマイナスとなった旨が書かれていた通りこうした消費減から販売競争が激化、パイの奪い合いからブランド化が必要となり各地域の開発に拍車をかけた事も大きい。

更にスパンを長く見ればバブル世代が生まれた昭和40年頃に比べると現在の一人当たりの消費量は実に約50%にまで落ち込んでいる模様。そんなワケで過日百貨店に立ち寄った際も、昨年試験販売されていたポストコシヒカリを謳う新潟県の新ブランド「新之助」の販促が知事のトップセールスで行われていたのを見たが、今年廃止となる減反政策を睨み斯様に売り込みも益々拍車がかかって来ようか。


高級スーパー再編劇

さて本日は所用があって出かけた先でクイーンズ伊勢丹の看板を見掛けたが、昨日の日経紙・企業総合面には「三越伊勢丹、改革は融和型」と題し、三越伊勢丹HDがこの高級スーパー・クイーンズ伊勢丹の運営会社の株式の大半を三菱商事系の丸の内キャピタルに売却すると正式発表した旨が載っていた。

高級スーパーの売却といえば最近では成城石井がこの同じ丸の内キャピタルを経てローソンの傘下入りをしたのが記憶に新しいが、その前にはJ・フロントリテイリングがピーコックストアをイオンに売却しており、今回の三越伊勢丹と併せ大手百貨店系がスーパー経営から離れるパターンが続く。

ところで上記の成城石井買収の時はローソン勢に対して三越伊勢丹も手を挙げるのではという思惑さえ出ていたのを思い出すが、当時と今とでは丸の内キャピタル含め同じキャストながら買収の構図がさま変わりしている様子がこの業界の再編劇の目まぐるしさを物語る。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2024

11

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30