224ページ目   雑記

机上の空論

先の日曜日の日経紙社説には「問題が多いキッズウィーク」と題して、子どもの夏休み期間を削り秋口などに移行するという論議が政府主導で始まった旨が書いてあった。所謂「キッズウィーク」で、夏休みなど長期休業の一部を別の時期に移し親にも一緒に休暇を取るように促して消費や観光需要を喚起する狙いというもの。

政府の旗振りで斯様に消費や観光需要を喚起する狙いで打ち出したイベントとしては「プレミアムフライデー」なるものが記憶に新しいが、かれこれ開始から4ヵ月を経ても現状としては街のレストランなどプレ金に合せて企画したイベントが空振りで閑古鳥という報道が多く目に付く。

認知率に比較しその普及率は凄まじく空振りの事態となっているのは当初から想定はされていたが、キッズウィークにしても概ね二の舞を演じてしまうようなハメになるのは想像に難くないか。こんな机上の空論ばかり無理矢理導入してしまうなら、いっそ金曜日へ振り替え休日を設けるハッピーフライデーの方がまだ即効性があるような気がしないでもないが。


丑の日商戦

さて、明日は毎年恒例の「土用の丑」の日である。今年は来月にもあるが鰻といえば数年前の不漁による高騰が記憶に新しいが、消費の方もそうした影響から2000年の年間17万トンから昨年は4万トンと大きく減少しているのが現状のようだ。

シラス等の価格は10年で約10倍にまで跳ね上がったが老舗の廃業等もまじえ一頃の狂乱価格は沈静化、漁獲高も大幅な回復を見せ今年はかば焼き用の国産うなぎの仕入れ値が下落している模様だ。それらを反映してか店頭価格も昨年より幾分安くなっているようにも感じるがこれで消費も喚起されるか否か。

ふるさと納税等でもスーパーで購入するよりはるかにお得ではと思うような可也ボリュームのある鰻が多数この丑の日に照準を合せて出てきているが、思い返すに数年前はアベノミクス効果で兜町の鰻屋の特上モノが品薄になるなどの景気の良い話題があったものだが、上記と併せ消費の盛り上がりが復活するかどうか商戦の行方が注目される。


後ろ盾無き通貨

本日の日経紙金融経済面には「ビットコイン一時停止」と題し、利用者や取引量の急増で送金等への影響が出始めその解決策を巡っての各所の対立から取引所サイドが顧客保護の名目で来月1日からビットコインの入出金を停止する発表をし、一部海外取引所も先駆けてこれに倣う動きの旨が報じられていた。

こうした分裂騒動を嫌気し当のビットコイン相場は先週後半には1,900ドル割れまで下落する場面が見られるなど約2ヶ月ぶりの安値水準まで急落の憂き目に遭っているが、連動するようにこれまで当欄で取り上げて来たリミックスポイントやトレイダーズHD等の仮想通貨関連株もこの1週間で2割強の下落と連れ安を演じている。

週明けになって分裂回避の見方も一部に台頭してきたものの、これらの関連株は本日も依然として軟調推移と不透明感は払拭されていない。仮想通貨の弱点としてETF認可が流れる一因ともなった政府や中央銀行の後ろ盾が無い点が挙げられていたが、こうした光景を見るに改めて黎明期の紆余曲折を感じる。


消えゆく白紙委任状

さて先の日曜日の日経紙総合面には「株持ち合い縮小10%割れ」と題して、上場企業が取引関係の維持等を目的に保有する持ち合い株を減らす動きが加速し、野村証調べでは2016年度末の保有比率が9.9%と初めて10%の大台を割った旨が書かれていた。

この持ち合い解消だが、直近では支持率急落の憂き目に遭っている安倍政権の隠れた成長戦略のターゲットでもある。日本企業にガバナンスを効かせようとした場合にやはり障壁となるのが株の持ち合いで、こうした関係の中心の存在となってきた銀行もここ近年は積極的に株の売却を加速してきているのが現状か。

斯様な事情を背景に一昨年からコーポレートガバナンス・コード適用も始動した事で漸くというか岩盤であった10%の牙城が崩壊、先の株主総会でも物言う株主の提案が8年ぶりに承認されるなどスチュワードシップ・コード効果も出てきておりWコードの動きが今後も目に見える形で加速しそうだ。


乳製品黒船

さて、今週のはじめには大商いを伴って彼方此方で急騰しているビットコイン関連株を取り上げたが、それとは対照的に軟調推移であったのが食品ポストか。この辺の背景はいわずもがな日本政府とEUがEPA締結で大筋合意となった事で安い輸入乳製品等の拡大で競争が激化するのではとの懸念が台頭した事か。

欧州産の乳製品が大量に入って来ることになると上記のような株価が気になる上場企業でなくともこれまで大半を供給してきた酪農家としても戦々恐々ということになるが、乳価の行方等この辺は未知数だ。逆に日本からは自動車関税が撤廃される方向になったが、先行している韓国勢等と競争条件が同一となる事で攻勢の好機となり得るかどうかが注目される。

またこのEPA締結で地理的表示を認め伝統的な食品産地ブランドを互いに保護する事になるが、神戸ビーフや但馬牛など始め粗悪な偽造品が出回っているモノにとっては朗報か。とはいえこれまで一部商品名として定着してしまっているイタリア特産モノを冠した商品名やメニュー等の使用が出来なくなる事も考えられるが、この辺についてはまた後述したい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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