311ページ目   雑記

円安で乗れず?

先週あたりから週明けには1ドル100円大台が見られるとの呼び声も高かったものの、果たしてここ数日はこの大台を前に足踏みと焦らせるような動きを見せている円相場だが、企業群でははやこの辺が好感されて為替感応度が高いものから循環物色され年初来高値をかわるがわる更新という流れになっている。

自動車なんぞはこの流れだが、こんな「陸」モノとは対で「空」の方はなかなか冴えない動きが続いている。双璧のJALやANAも配当目当てで賑わって以降は年初来高値更新がお預けになった格好になっているが、当然ながらこちらは逆に円安が懸念されるというパターンである。

JALの再生に関してANAとは確執が継続され未解決な部分も道半ばであるが、両者共にこんな為替だけでなく足元では鳥インフルなどそうそう無視出来ない問題も出てきており、何処でアベノミクスの恩恵にあずかることが出来るのか株主ならずとも気になるところではある。


取引参加者の意識改革

今週も週明けから日経平均は大幅続伸し年初来高値更新となっているが、先週末の日経紙にはこんなアベノミクス効果で2012年12月〜2013年1月の間で個人投資家の約8割が金融資産を増やしていたことが日経マネーの個人投資家1万人調査で分かった旨が載っていた。

こうした中には積極策を取らないまでも値洗い改善の効果組も応分に入っていようが、各種マネーコラムのタイトルには乗り遅れた向きも未だ間に合うとか、手っ取り早く値上がり益を狙う目的でレバレッジ型ETFの物色が盛んになっているような記事も出てくる等、新たに投資にチャレンジしようという向きも増殖しつつあるのを感じる。

一方で本日の日経紙サーベイでは、現預金以外の資産比率を現状維持にしたいという向きが54.9%となっている旨が載っており、では比率を上げるのにはどんな条件が揃えばよいかとの問いには、どんな条件でも上げないとの回答がトップになっていた。ところでその少し前の頁にも「株高でも焦る日証協」とのタイトルがあったが、会員への信頼感がネックになっているという部分は考えさせられる。

デフレ一色で市場が味方しなかった昨年迄と違い環境が整った今は啓蒙のチャンスなのはいうまでもなく、こうした機会を無駄にすることなく企業のIR同様に各所も啓蒙を再考すべきではないだろうか。


豚の次は鳥

一寸前までPM2.5やら黄砂やらと中国から飛来する脅威の話題に事欠かなかったが、今紙面を連日賑わせているのがやはり鳥インフルエンザか。これまた中国で感染が相次いでいるワケだが、はやパンデミックを先取りして株式市場ではマスク関連や感染管理品、検査キットまで急騰し、本日も年初来高値を更新しているモノが目に付いた。

こうした関連が突飛高しているのを目にするにつけ思い出すのが、4年前に騒がれた豚インフルエンザだろうか。あの当時は家庭用消毒薬の2か月分の在庫が数日で姿を消し、無いモノねだりの極みではマスクなんぞネットオークションで数倍から10倍の狂乱価格で落札されたような事件?もあった。

また関連株も以前触れた当時は「今後同様なことが起こるや否や三度目、四度目の各相場を迎えるにあたり今後どのように各々学習効果が発揮出来るのであろうか。」と書いたことがあったが、こちらは過敏に反応するが勝ちとばかりに記憶力の勝負になってくるものの前回あれだけ騒いだ割に何時の間にか事態は沈静化していった経緯をふまえ、ここでも正確なディスクロと適切な行動が求められようか。


デフレ下の盟主

先週末の日経紙ニュースクールでは「牛丼どうして値下げ?」として、輸入規制の緩和を背景に大手が従来価格から値下げし新価格を設定した旨の関連が載っていた。この辺は報道機関によって値下げ背景の捉え方が様々で各社のカラーが出ていて面白いが、同業他社の対応もまた注目される。

さて牛丼値下げといえば、当欄で初めにこの辺に触れたのが2009年くらいであるからもうかれこれ4年もの間この値下げ政策が繰り広げられているということになるが、デフレ期を通って来たファスト系ではこの牛丼系が消耗戦の様相を呈した一方でマックなどが同様の低価格等を武器に躍進した経緯がある。

直近ではこのマックの試行錯誤がいろいろと話題を提供しているなか失速感が拭えないが、果たしてこれで上記以前の状態まで体力回復が出来るのかどうか、円安も気になるところだがこの辺もまた見ものとなってくる。何れににせよ、この業界だけはデフレ脱却の機運とは無縁なようだ。


セルペンティが貢献

国内では今月下旬から決算が本格化し既に業績修正の発表などもボチボチといったところだが、ヨーロッパでは仏高級品大手3社の2012年通期決算が出揃っている。主力どころといえばやはりLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンであるが、此処は前期比12%増の13億ユーロ、またエルメスは同25%増の7億ユーロであった。

内訳として前者はブルガリのスネークヘッドが定番人気の「セルペンティ」コレクション等が順調で時計・宝飾部門が前期比46%増、以下セフォラ等が22%増、ワイン等が17%増、服飾・革製品が14%増、香水・化粧品が13%増と軒並み2桁増、後者も宝飾・家具が45%増、服飾・アクセサリーが22%増、時計が17%増とこちらも軒並み2桁増収であった。

欧州の景気停滞を他所にこの手は斯様に好成績であったが、新興国の伸びも後押ししたとの推測もある。ただ数度触れたようにこの高級宝飾・時計系の伸びは国内でも顕著で、百貨店大手などこうした伸びから株価の方も揃って年初来高値更新となっている。まあ全般高に連れているという面もあるが、PER等に目を瞑り何処まで値を飛ばせるか今後も引続き売上と併せ見てゆきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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